八十.『さらば』とは何か再び(逝かれ……怒れる若者たち)
少し話を寄り道しますが。
エンターテインメント作品で、敵と戦う物語はいくらでもあります。
その場合、敵が単に悪い奴、というのも今でも無くはないですが、大抵は現実の社会に存在する何か、社会悪をモチーフにしているものです。例えば宇宙刑事シャイダーの不思議界フーマは、苛めをもたらす悪意を具現化したものだそうですが、そんな風に。
今では、『さらば』もそうであっただろうとは思えるようになりました。例えばガトランティスは、自然を破壊して繁栄する物質文明を象徴した存在。そして服従を強要する強大な力。
そして地球の有り様は、自己の安穏を優先する怠惰の誘惑であり、古代達はそういった世界の不条理に怒り、抵抗するのです。
『さらば』は、イージーライダーのような怒る若者の映画であり、後にアニメでもヴィナス戦記、そしてヤマト自身の未来を描いた二五二〇へと繋がっていく映画でもありました。
不条理への怒りは、家庭でも、学校や職場でも、どこででも起こりうる話。そこに共感が集まったのでしょう。
しかし、しかしです。
(続く)
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