七十七.『さらば』とは何か再び(動乱)

 古代達がヤマトに集結し、命令に反して出撃するシーンにも、また違和感がありました。これでは戦前の日本軍でクーデターを起こした若手将校ではないか、と。


 こう書いていて自分でも不思議なのですが、この頃小学校の高学年くらいだったのですが、確かにそう思ったのですよね。多分ミリタリー趣味に加え、学研のまんが版日本の歴史のおかげで、そういう知識がついたのだと思われます。

 それはさておき。


 第一作では、『ちゃんとしたSFと戦争ものをやりたい』という意思が感じられ、SF好きとしてもミリタリー少年としても共感しましたし、そこに登場する古代達も、もちろんオーバーに描かれてはいましたが、今の自分たちと同じ若者(つうかこちらは子供でしたが)だと思えました。

 例えるなら、彼らは昭和二十年に放り込まれた現代の(あくまでも70年代の、ですが)若者。

 しかし『さらば』での彼らは、現代に放り込まれた昭和二十年の若者のようでした。


 私にとって(その頃の、でありますが)現代の日本は、基本的にはいい時代だと思っていましたし、今でもかなりの部分はそう思っています。

 そして第一作のヤマトはそういう日本の延長線上にある物だと思っていましたし(そう、自衛隊には旧軍のような体罰は無いと思っていました)、作り手もこちらの心情に近いのだろうと(勝手に)思っていました。


(続く)

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