好きなものを、共有したかった頃
好きなものを、共有したかった頃。
みんなにじゃなくて、あの子だけに。
好きな曲を何かしらのテーマをもとに集めて、CDに焼いた。
そして今ではほとんど使わなくなったワードを使って表紙を作った。
題名もちゃんと考えて、印刷してケースに合うサイズにカットして。
好きな曲を共有して、話の種になったらいいな。
ちゃんと歌詞を読み込んで、自分なりに解釈して、伝えられないかな。
そんなことを考えていたんだろうか。
あの子は律儀に返事をくれた。
内容はもちろんだけど、
あの子の想いが、文字が、自分の手元にあることに幸せを感じた。
途中からは返事目当てで作っていたのかもしれない。
書いてといえば手紙の一通や二通書いてくれたのかもしれない。
でもそんなことは言えなかった。
そんな勇気は、当時の僕にはこれっぽっちもなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます