呼び名を決めよう
呼び名を決めよう。
そんな声がどこかで上がった。
僕だったかもしれない。
静寂に包まれた街は、声が通り過ぎる。
みんなの地元だし、慣れ親しんだ土地だ。
近くに誰がいるかわからない。
根も葉もない噂の話が誰かの耳に入って、学校中に流れてしまっても困る。
話の内容の該当者に聞かれても怖いし、それぞれの呼び名を決めよう、と。
誰がどんな名前だったかは覚えてない。
その時聞いてた曲とか、なんとなく流行ってたものとかそういうのにかこつけて、それとなく呼び名をつけることになった。
コードネームみたいでちょっとかっこいいなって思ってた。
結局その名前で呼んでたかどうかも定かではないけれど。
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