第一談 この漫画、神 5p
このページ、ややネタバレ注意。
完全なるネタバレは無しですが、念のため。
漫画未読の方はセトウツミ二巻を読んでからこれを読まれた方がいいかもしれません。
その方が絶対に漫画を楽しめます。
円間「瀬戸は元サッカー部のおもしろ系男子、内海は頭のキレるインテリ男子と型にはまった主役設定なんだけど、二人とも、それぞれがディープな悩みを抱えているんだよね」
スケキヨ「ディープな悩み……うーん、確かにです。瀬戸も内海も、他の登場人物たちも僕たちと同じく家庭や学校、仕事、友情、恋なんかに悩んだり、葛藤を抱いたり憤りを感じたりしているんですよね、それが漫画のネタになっていたりするんですけど、それが面白いんですけど、なんだか、瀬戸と内海の悩みは気を抜いた瞬間……えっ、みたいになるディープ感がします。瞳孔開く、みたいな」
円間「わかる、特に内海!」
スケキヨ「内海の闇」
円間「ダークフォース内海やね。セトウツミってさ、私、二巻から読んだんやけど、ほら、あの、木沢先生の話から読んで……」
スケキヨ「木沢先生……あっ、ゴリ、ぐああーっ!」
スケキヨが飲んでいたお茶を口から吹き出す。
お嬢「フッハー、今、そこ読んでますわ!」
お嬢、お茶を吹き出す。
円間「ウッホ、ウッホ」
スケキヨ、お嬢、むせる。
セトウツミ二巻、木沢先生の出番は神回や!
笑いたい人は読むべきやで!
円間「二人とも、笑いすぎよ、落ち着いて。えと、話を戻すと私、セトウツミは二巻から読んでね、木沢先生のゴリラの回から読んで」
お嬢「ちょっと、円間さん、あなた確信犯でしょ、木沢先生から離れて!」
お嬢とスケキヨは涙を浮かべ、お腹を抱えて笑っている。
非常に苦しそうである。
円間「だって、二巻って木沢先生無くして語れないじゃない。とにかく、木沢先生の回を読んで、この漫画、面白いな、これギャグ漫画なんだなって思ったのね」
二巻、神回、とにかく神回!
スケキヨ「でも、そうじゃなかったってことですか?」
円間「うーん、うーん、うん、そうでしょ。ダークフォース内海とか、ラストの展開とか、もう、ただのギャグ漫画ではないでしょ。青春漫画ともなんとなく違う気がするし、なんていったらいいのかわからないよ、神漫画としか言えないよ。セトウツミは登場人物が本当に生きてて突拍子も無い設定でも感情移入できるんだよ、その感情移入がそのまま読み手の感情を動かすんだよ」
スケキヨ「木沢先生にも感情移入できたんですか?」
お嬢「木沢先生に感情を動かされた?」
円間「ブハッ!」
円間はお茶を吹き出した。
円間「ええ、木沢先生にはとても感情を動かされたわ。感情移入できたわ、我々はゴリラや、とね」
お嬢「それ、どっちかっていうと瀬戸と内海の暗黙の感情やねん」
円間「グッハーーッ!」
円間は悶え苦しむ、笑いをこらえきれずに悶え苦しむ、ブハッ!
木沢先生はゴリラやない!
スケキヨ「あ、ディープな悩みといえば田中くんもディープな感じに悩んでいますよね」
円間「え、スケキヨ、いきなり話題が田中くんへ方向転換?」
スケキヨ「はい、このままだと木沢先生の話題でこのページが終わってしまいそうで」
円間「あ、マジだ。木沢先生には悪いけど、木沢先生の話は一旦ここまでにしよう。生物担当教諭、木沢先生に乾杯。田中くん、ね、ディープに悩んでるね」
田中くん、田中真二。
瀬戸と内海と同じ高校の同級生。
左右対称のその名前から、瀬戸と内海の対決の審判を務める。
木沢先生のゴリラの回こと第十一話、人間と動物が収録されているセトウツミ二巻に田中くんが審判を務めた第九話、表とジョーカー、第十話、裏とババ、の瀬戸と内海のババ抜き対決は名勝負であった。
つづく
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