第一談 この漫画、神3p

『セトウツミ』

 著者:此元和津也

 出版社:秋田書店

 連載誌:別冊少年チャンピオン


 セトウツミは神漫画である……神漫画、セトウツミの神ってる話がこれから始まるのである。

 ネタバレは極力避けます。




円間「これから神漫画、セトウツミについて語ってくわけやけど、その前に、お嬢とスケキヨに報告があるよ」

お嬢「なんですの?」

円間「このヨミの国にね、入国者が現れよった」

お嬢「え」

スケキヨ「本当ですか、すごい!」


 入国者とは、ヨミの国用語でヨミの国を読んで下さっているユーの事。

 ヨミの国を読むことをヨミの国用語で入国という。

 今後、ヨミの国でも読むかと思ったら、ヨミの国にでも入国するかとつぶやいてください、雰囲気でますよ。

 兎にも角にも、ユー、ご入国、ありがとうございます。


お嬢「なんだか読まれているとなると急に緊張してきましたわね。円間さん、これからはご入国者の前ではふざけた行為は慎んでくださいませね」

円間「は、なにそれ、私、いつふざけたかな。私はずっと真面目一本よ。真面目が取り柄だし。いつふざけたかな、何時なん分何曜日かな、地球が何回回った日かな?」

お嬢「うるせーよ!」

スケキヨ「お二人とも、ふざけてないで、ヨミ事はじめましょうよ、ね、ねぇ」

お嬢「そそそ、そうね、始めましょう。これ以上の醜態は勘弁ね」

円間「げふん、じ、じゃあ始めるか……前のページでも説明したけど、おさらいね。セトウツミは川で瀬戸と内海って二人の男子高校生が暇つぶしに喋るだけの漫画なのね、喋るだけの漫画、それがセトウツミなんだけど」

スケキヨ「その男子高校生、瀬戸と内海の会話がハマるんですよね」

 円間「そう、面白いの。面白さが飛び抜けてる」

お嬢「ちょっと待ってちょうだい。わたくしはドラマの方しか観てないんですけど、二人の話にはついていけるの?」

円間「大丈夫、ドラマはほぼ、マンガのストーリー通りだから。もちろんカットになってるエピソードはあるけど。心配なら今、読めばいいじゃん、ここに漫画、全巻持ってきてるから」

 円間はテーブルの上の漫画を指差した。

お嬢「え、じゃあ、ちょっと読ませていただくわね。二人とも、わたくしは気にせず、お話続けてて」

円間「そのつもり」

スケキヨ「お嬢様、お茶のおかわり用意しますね。セトウツミ、ゆっくり堪能なさって下さい」

お嬢「ありがとう」

円間「私もお茶、あと、なんかお菓子食べたい!」

スケキヨ「かしこまりましたです」


 セトウツミは全八巻で完結している。

 セトウツミ全巻攻略に挑み始めたお嬢は置いておくことにして、円間とスケキヨはセトウツミについてお茶を飲みつつ、せんべいを食べつつ語り始めた。


スケキヨ「セトウツミは登場人物が大阪弁で話しますけど、大阪弁って魔力ありますよね、大阪弁ってだけで話しが楽しく感じちゃいます」

円間「わかる、ダウンタウンとか明石家さんまの、ときに辛辣な話も大阪弁だから笑いとして聞いていられる的な」

スケキヨ「またそんなこと言って、ダウンタウンさんも明石家さんまさんも、心に愛があるから話を聞いていられるんですよ!」

円間「わかってるって、けしてダウンタウンと明石家さんまをディスってるわけじゃないですよ。だって、私、ダウンタウンも明石家さんまも大好きだからね。特にさんま。さんま御殿好き好き!」

お嬢「ちょっと、話し、脱線しててよ!」

 お嬢が顔を上げて円間を睨む。

円間「ごめん、さんまの話はまた今度で。瀬戸と内海の会話もさんまとダウンタウンと同じく、大阪弁の魔力が大いにかかっているわけよね」

スケキヨ「離れましょう、ダウンタウンさんと明石家さんまさんから離れましょう」

円間「う、ヤバい、ツボにはまっとる。さすがか、ダウンタウンにさんま!」

スケキヨ「ストップ、ダウンタウン、さんまですよ、離れましょう!」


 ストップ、ダウンタウン、さんま!




 つづく

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