第68話 女性には触れてはいけない禁句があるよね
甲板の上に集まる船員とオリオン族。
ルールは5人による代表選
殺さない事
船を壊さない事
後はなんでもあり
魔女のシーナペインがいるので、手足が切れてもすぐに結着できる、という事で真剣での勝負となる・・いやシーナペインさん・・余計な事を・・・
使節団の先鋒はガクザン。 ドワーフ族の元鉱山衆
オリオン族の先鋒は レーベンブロー ロングソードの使い手だ
「伝説のオリオン族の強さとやら見せてほしいな!がはは!」
「ドワーフですか・・・小さいが強そうだ!ではまいりましょうか」
150cmはあろう長いロングソードを巧みに操るレーベンブローに50kgはあろう斧を操るガクザンその勝負は白熱した。
「ち!甲板には土がねえからな!土魔法が使えねえ」
ガクザンは土魔法とのコンビネーションが使えないので、少し苦戦している。
しかし土魔法は土を使った魔法というのは間違いではないが、基本は整形魔法で土でなくても土魔法は使える、上級者なら空気中の塵や海の中のゴミすらも土魔法の材料にできる。
とはいえ、海の上では地上より土魔法は使いにくいのは変わらない、液体の整形は水魔法の分野になる。
「おやおや!苦労していますね私も魔法は封印いたしますので、どうぞお構いなくやりましょう」
レーベンブローも何かしらの魔法のコンビネーションを使えるようだが、ガクザンに合わせて魔法を封印しているようだ。
「やるな!オリオン族も・・・ガクザンが押されている・・魔法が使えないとはいえ、ガクザンのパワーは鬼人に匹敵する力を持っている、ストーンゴーレムでさえ一撃で粉砕する力だ」
ハムラは闘いを見ながらつぶやく。
実際ガクザンは鉱山衆の中で5本の指に入る使い手だ、しかしレーベンブロー相手に苦戦している、徐々にレーベンブローの間合いが多くなりガクザンは防戦一方になる
「そこまでだな!殺し合いじゃねえ」
試合を止めたのはアメノトリフネ様
「そんな!船神様まだ俺は闘えるぜ!」
「殺し合いにしないのがルールだ!勝敗が予想出来たらそこまでだ、なあキンタロウ!」
「はい、怪我がない方がいいに決まっています」
「ち!金ちゃんにまでいわれちゃあしょうがねえ・・・確かにこのままやれば俺は切られてただろうな・・」
「素晴らしい判断です!敵でもない者を切るのは私の流儀に反しますので」
「勝者オリオン族」
アメノトリフネ様の発言で勝者はレーベンブローに決定した。
「おい次は俺が行く!鉱山衆の力を見せておかないとな!」
ハムラが前に出る
「鬼人が相手なら我が出よう」
オリオンからはブロイベルグ、ハムラに負けない大きな男だ
「おお!大きな男だな!鬼人に向かい合う勇気は褒めてやる」
「ふん!変な兜を付けやがって・・鬼が魔王気取りか?」
「おい!俺にはラオウ気取りといってほしいがな」
ハムラはまだら禿げ事件以来ラオウハムラといっていたがそれが気に入っている・・事あるごとに鉱山衆には『ラオウ』と呼ばせているくらいだ。
共に大剣使い最初の刃合わせで火花が飛び散る・・・しかしハムラの大剣を受けたブロイベルグの体は後方に吹っ飛んだ・・・
本気の一撃だなハムラ
「それまでだ!勝者使節団!」
アメノトリフネ様の判定が決まった・・・
「フハハハハ!他愛もない・・体はでかいがな」
ハムラ・・・強すぎる!やっぱりラオウだ・・・
「うへえ!強いなあお手柔らかに頼みますよ!」
オリオン族の中堅で出てきたのはエルディンガー 長身だが細身だ
「私にやらせていただきます」
使節団からはシャルロットが前に出る
「いえ!先生が出る必要はありません!私がやります」
カエデがその前に出てくる
「おや?私の相手は可愛いお譲ちゃんですか?なんなら二人一片でもいいですよ・・二人とも美人ですし・ふふふ」
エルディンガーはいやらしい笑いをしながら二人を見る
可愛いお譲ちゃん・・・禁句だ・・・歳を取れず永遠の若さのシャルロットが一番気にする言葉・・・
「カエデ!下がっていなさい・・・」
「は!はい」
「ははは・・かわいらしい顔だ・・・舐めまわしたい・・・」
エルティンガーは再び挑発をする
「私を舐めまわす事が出来るのはたった一人です、あなたの様な無様な者などは、私に触れることすらできないでしょう」
「へ~いうねえ・・・舐めまわすだけじゃ物足りねえ!」
エルディンガーはその言葉と同時に、短剣を投げ込む
その短剣を華麗によけるシャルロットだが短剣は向きを変えてシャルロットに突き進む
風の魔法使いか・・・
「一本じゃねえ~よ」
エルディンガーは何本も短剣を投げ込む・・こいつは手品師かというくらい短剣が出てくる
「あら!私も風の使い手ですの、奇遇ですわね」
シャルロットはそのレイピアをしならせ、空間のうねりを作り出す、誘導された短剣は互いにぶつかり、甲板の一角に剣の山を築く。
「今度はこちらから行きますわ」
シャルロットが風を起こし、分身を繰り広げた。
「分身!師匠いつの間に」
カエデが驚く。
エルディンガーも驚く。 「な!なんだこれ!」
次の瞬間カエデの剣はエルディンガーののど元を突き刺していた。
「そこまでだ!勝者使節団!」
「ふふふ!カエデの技を練習してましたのよ!」
「師匠!凄いです!・・分身は忍びの技でも使える者はわずか・・・感激です・・・私の分身より3体も多いなんて」
カエデがシャルロットの元に走り出す
シャルロットが俺の方をみた
「キンタロウ様・・・いつでも舐めまわしてくださいね」
え?
シャルロットは小悪魔的な笑いで俺をみた・・・・
「おい!女ったらしの親も女ったらしだな!」
ゲンプファーが鉤爪を装着して前に出てきた!
「シュンタとかいったな!前に出ろや!強い男ってやつを味あわせてやる、女たらしには分からねえだろうがな」
「女たらしは、心外ですが・・・僕もみんなの闘いを見ていて体がうずうずしていました・・精一杯やらせていただきます」
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