第67話 モテる男の周りには争いは絶えないよね
レーダーに映し出される無数の飛翔体。
その姿は肉眼でも見えるようになった。
「あれはペガサスとオリオン族だ」
ミュイミュイは見上げながら答えた。
「ペガサスって魔物なのか?」
「うーん・・俺達メデューサ族が昔ポセイドンのおっさんにはらまされて生まれた種族がペガサスってのは聞いてるけど、よくわからん。
あいつらは、光の属性が強いから俺らには懐かないし」
メデューサから生まれたペガサス・・・神話にはそんな事が書いてあったような気もするが・・・
ペガサスといえば天馬というイメージがあるが・・・実は魔物という事だろうか・・・
そしてオリオン族・・・オリオン座のオリオンだよな・・・
「オリオン族はゴルゴンを守る戦士だエウリュアレー叔母さんとポセイドンのおっさんの子供達の子孫がオリオン族だ男しかいない」
ミュイミュイはオリオン族についても教えてくれた
しかしポセイドン・・・見境ないな・・・
ペガサスに乗ったオリオン族たちが我々の前に来た
「ミュイミュイか・・この者どもがグラスの使者であるか?」
「おおゲンプファーか!ああ丁重に案内しろ!俺の嫁になる男もいるからな!」
「なに!ミュイミュイ!俺というものがありながら!何処のどいつだ!」
ミュイミュイはニコニコしながら俊太に指をさす
「え!ええええ!」
俊太は驚愕の表情で慌てふためく
「貴様か!」
ゲンプファーはペガサスから甲板に飛び降りた
いとも簡単に15メートルはあろう高さから飛び降りた所からこの男の能力を垣間見る。
「貴様がミュイミュイをたぶらかした男か!」
ゲンプファーは俊太に歩み寄る・・しかしある線を境に足が止まる・・・
「なんだ!これは・・・お前か・・・女」
「はい!シュンタ君に敵意を向けていましたので、『影縫い』をさせていただきました」
カエデが答える
「うぬぬぬ・・・動けん・・・ええい!女に守られるなど女々しい男だ!・・なぜ貴様のような奴にミュイミュイが・・・一騎討ちしろ!軟弱者!」
ゲンプファーは俊太に吠える
「あら・・一騎打ちですって・・・ダサーイ・・この子が可愛いから女性を引き付けるのよ!全く野蛮な男は分からないのね・・」
アグラオペーメーは追い打ちを掛けるようにゲンプファーに言葉を浴びせる
「何を言っておるか!一騎打ち・・素晴らしい!女を掛けた一騎打ち・・うん俺が取り仕切ろう!」
アメノトリフネ様は逆に一騎打ちを進める・・・
「いや!僕とミュイミュイはただの友達です!って誤解ですよ」
「そうですね!シュンタ君とミュイミュイはただの友達・・それ以上でもないです」
俊太とカエデは言葉を重ねる
「すると!ミュイミュイは遊びで!この変な術を使う女が本命か!この恥知らず男!」
「な!私はシュンタ君とは・・何もない・・・何も・・それに私の立場では・・それすらも許されない・・・」
カエデは少し泣きそうな声になる
「私たちだって・・シュンタ様と仲良くさせていただいています!」
ジュリとムュイまでしゃしゃり出てきた・・・
「いや・・ジュリちゃんには俺がいるじゃないか・・・なあ」
トシイエがややこしくする
「ふふふ・・・面白い事が起きたわね」
シーナさんはただ楽しんでいる
「シュンタ君はモテますね・・」
シャルロットは呟く
「全くシュン坊はすげえな・・金ちゃん以上だな」
ハムラも呟いた・・・
「あの~本当にミュイミュイはただの友達です!ただ腕試しはしてみたいので、1番、立ち会ってってみませんか?」
「う~シュンタ・・ただの友達は無いだろう・・・俺の全裸を見たくせに・・」
「なに!・・・貴様・・・ミュイミュイの全裸だと!うぬぬぬぬ・・・殺してやる!」
「全裸って!あれはお前があんな水着着るからだろ・・それに見たのは俺だけではないだろ!」
「いや!シュンタにだけ見せたのだ」
「ゴチャゴチャうるせえ!とにかく一騎打ちだ!」
アメノトリフネ様が怒鳴った!
まあ、俊太も腕をあげている、他と腕比べするのはいい機会だ・・・しかし・・俊太、罪な奴だ・・・
もう一人オリオン族が飛び降りた
「私はオリオン族のザナトラ、ゴルゴン空軍司令官であります・・守護者ツユキ殿はあなたか?」
ゲンプファーと違って紳士的な振る舞いだ、しかし内に秘める力は相当なものだろう。
「私がツユキです、グラスさんの意思を継いだ守護者です、ゴルゴンとも友好的に協力し合えたらと思い、本日は勝手ながらこちらに来させていただきました、このような軍艦で来た事をここでお詫びいたします」
失礼がないように答える
「素晴らしい軍艦だ!鉄の船が4隻それに早い・・オワリにも鉄を纏った船はあるようだが、この船は全て鉄のようですな、凄まじい技術だ」
「ありがとうございます」
「それにかなりの力を持った仲間をお持ちだ!ゲンプファーと同じ年くらいで、動きを封じる女・・それに水を司るリザード、鬼人に海人族、それに兵たちも能力が高そうだ」
元鉱山衆の護衛兵を見ながらザナトラは答える
「ありがとうございます!自慢の仲間達です」
俺がこう答えると、乗組員たちは誇らしげに胸を張る
「うんうん、いい顔だ!じゃあ腕試しをしましょう!うん!オリオン族は仲間になる相手には腕試しをする掟!久しぶりの腕試しだ!腕が鳴りますな!」
え?腕試し?
「でたでた!すぐ腕試し・・・ほんとゴルゴンの男どもはすぐこれだよ・・・古臭い」
アグラオペーメーは言い捨てる
「セイレーンか・・・ゴルゴンを飛び出した精霊が・・何を言っても意味はない」
「ふん!私は船乗りが好きなの!ゴルゴンに私を満足させる船乗りなんていないし」
アグラオペーメーはめんどくさそーに答える・・・てか、セイレーンもゴルゴンの出なのか・・・
「いい!いいぞ!男ども!闘う事は素晴らしい!どこでやるか?ここか?この船でやろう!」
アメノトリフネ様は燃えている
「いいですね!この船はでかい!甲板も広いしここで依存は無いです」
ザナトラは答える
ゴルゴンの近海に来ていきなり・・・星座にもなった英雄の末裔のオリオン族と腕試しが始まろうとしていた・・・
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