ゴルゴン使節団

第66話 美しい歌声は癒されるよね

18ノットで航行中・・目指すは魔物の国ゴルゴン


「わあ・・・早い!こんなに大きな船なのに早いね」

ジュリとムュイははしゃいでいる、この二人は俊太と同じ年もう18歳なのだが見た目はまだ中学生みたいな見た目だ。

リザードの女子はやはり幼く見える。


「あの白い船は綺麗ね」

カエデが俊太に話しかける。

海上保安庁の船体カラーは白が基調である、美しい船体だ・・


俊太は考えごとをしているようだ・・

「ディーゼルエンジンもガスタービンも軽油だから・・・このエンジンを詰め替える事が・・」


なにか企んでいるようだ・・・


この『てしお型」は速度が18ノットでディーゼルエンジンである、燃料は同じ軽油だが『金太郎丸』が最高速度30ノットなのでその速度差は12ノットある、時速に換算すれば24キロ違う。

『てしお型』の速度のハンデを補うために水神のやりをそれぞれ2本船体後部に配備している、この辺を作動させれば、8ノットの速度上昇が見込める、ただ魔石の節約のため最高速度は18ノットに抑えている状態だ。


帆船の速度が5ノットくらいなのを考えれば十分に早い、ベロニカの軍船は水神の槍を動力源に10ノットを出している、このベロニカの軍船がこの世界での最新鋭艦扱いであるので、この艦隊は恐ろしく早いのだ。


俺の中の懸念は俺が死ねば、この艦隊は消滅する、だから船員は海の中で生きていける、海人族を中心に選んでいる。


「船首にヒトカゲ・・・高い魔力」


またか?船神様か?


しかし船神様は俺の隣にいる・・・だれだ?


船首に急ぐ・・・・美しい歌声が聞こえてくる・・


「ほぅ・・セイレーンか・・・」


アメノトリフネ様がつぶやいた


船首を見ると美しい女性が歌を歌っていた・・・その歌声は安らかな気持ちにさせる

羽を持ち、一見天使かと思う美しさ・・・ハーブを奏で美しい歌を歌う・・・

彼女が歌い終わるまで、甲板に出てきた船員はうっとり聞き惚れてしまった。


「ああ!気持ちい風・・・いい船ね・・私が船守になってあげる」


セイレーンは歌い終わるとこちらに話しかけてきた


「ふん!セイレーンよ既にこの船には船神がいるのだ!」


「あれ?あなたはアメノトリフネちゃん?」


「ちゃん付けはやめろ!」


「うも~あなたは神様でしょ船神!私は船守、別に一緒にいても問題ないでしょ」


「むぅ・・・しかし」


セイレーンとアメノトリフネ様は何やら会話をしている・・・


「あなたは船の事を守る神様、私は船員を守る精霊、問題ないじゃない」


「確かに・・・問題ないな・・」


「じゃあ決まりね!私はセイレーンのアグラオペーメー、美しき歌を奏でるセイレーンよ」


また海人族はひれ伏している・・・

「船神様に続いて・・セイレーンまで・・・金太郎丸の船長としてこれ以上ない喜びです・・」

キロテーは感激して泣いていた・・・それほどなのか・・・ふむ・・海の一族にとってそれほどの存在なんだな

ありがたい。


****************


船で最初の夕飯だ!


この日は海軍なら当然カレーだ!


この日の為にカレールーをポチっておいた・・・まあ香辛料の中にはまだ栽培していない物もあるが、いずれ再現もしよう。

玉ねぎ、ニンジン、ジャガイモに豚肉

ポークカレーだ


「おいしい!」

ジュリとムュイがはしゃぐ



「あら!見た目は悪いけど美味しいわね、さすがジーフの旦那様」

シーナペインも納得してくれている


「ふん!こんな・・糞みてえなもんが・・・・・ウメエじゃねえか」

お約束なトシイエ・・


カエデちゃんも俊太も夢中で食べている。


何よりアグラオペーメーとアメノトリフネ様はものすごい勢いで食べている」


「美味いな!うん!海の男の味だ!」


「あら?女にだって美味しいわよ!」


またこの二人の言い合いが始まる


この日は

『ツナ』『スエタケ』『サダミツ』でもカレーの日


「よし!じゃあ毎週金曜日はカレーの日にしましょう」


「賛成!」


乗組員が一斉に同意した!



******************


食後はアグラオペーメーが歌を歌いみんなを癒す


船は24時間動いている、交代制で食事や自由時間が与えられるがアグラオペーメーの歌を聴ける時間に自由時間をもらった者は果報者だ。


港を出て3日目


「ゴルゴン大陸!レーダーに映りました」


早い!帆船だと1カ月は掛かる、


「レーダーに感!飛行しているようです」


お出迎えの様だ

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