第63話 変態は娘に近づいてほしくないよね

放課後、探検部の面々と61階層からの攻略の会議をしていた。



ピロピロピロ

あ、通信機が鳴った


金太郎印の通信機、よほど離れていなければ会話が可能な通信機だ。


「父さんだ?・・・とうさん?え!ジーフ母さん帰ってきたんだ・・うん、分かったユキナリとカエデも誘うよ・・うん大丈夫だよ・・・早く帰るから」


通信は父さんからだジーフ母さんが帰ってきたという電話で今夜賑やかに夜ごはんを食べるからみんな連れてこいって通信だった。


「ジーフさん帰ってきたってことはイロハちゃんもアミー先輩もレミー先輩も一緒って事よね」

ジュリは嬉しそうに言う


ミュイミュイ

「なんかお土産あるかな・・・食いもんがいいな」


ガラガラガラ


部屋の戸が開く


「でさ~もっとかわいい洋服無いのっていったらさ~ミュイミュイが喜びそうな下品なの持ってきてさ~やっぱ服屋さんは人間族じゃないと駄目ね」

シンシアがカエデと共に入ってきた


カエデはイロハの護衛任務から外れた・・イロハがジーフの弟子入りを認められた時、その身分を捨てた為である。ノブナガは好きにしろとイロハにいい、カエデは護衛任務を解かれ、オワリからの学生という身分に収まっている。


「シンシアちゃんカエデちゃん、イロハちゃん戻ったって」

ムュイが二人に告げる


「え~また家が煩くなるな・・まあ無事でよかったけど」

シンシアは喧嘩相手がいないのが少しさみしかったようだ


「そうですか・・イロハ様お戻りになりましたか・・」

カエデは複雑な顔をしている


「なんだ~?あまり嬉しそうじゃないなカエデ?」

ミュイミュイがカエデに突っ込む、ある程度の感情を読む事はメデューサにとっては朝飯前だ



「うんうん!嬉しいよ!よかった~無事で」

カエデは否定し答えた


「今夜、パーティみたいだからみんな夜ごはん食べに来てって父さんから通信が入った」


「やった~シュンタの家の飯美味いからな!一人暮らしの俺にはありがてえ」

ミュイミュイの頭の蛇も嬉しそうにシャーシャー言っている


所でユキナリ・・・一言ぐらい喋ろうよ・・・



*********


今夜は大人数のパーティーだ・・・


ドアをノックする音?


ドアを開ける


「お~金ちゃん、妹が帰ってきたって?」


ドアを閉める


「今お兄様の声が聞こえたような?」

イロハはキョロキョロする


「開けろ~ぶっ壊すぞ~」

外で騒ぐ男


しょうがなくドアを開ける


「うるせ~ぞ!このロリコン男!消え失せろ」


「そう言うなよ!な!義父さん」


「今なんつった?」


俺はその男の首根っこをつかむ


「おい・・イロハ助けろ!」


「知りません!」


「いっそ切り捨てましょう」

シャルロットが剣を抜く


「そうして下さい!」

イロハも突き放す


そうこの男の名前は『オダ・トシイエ』ノブナガの第2子(正式な伴侶の子)でオワリの公使としてグラスに滞在している男。

この男が犯した罪は・・・メグミのファーストキスを奪った男である・・・・・


「お前がオワリの公使でなかったら・・・ぶち殺す所だぞ!」


「まあそういうなよ!いい女になる子の唇を奪う!これ男の常識!」


「貴様!」


「切りましょう」


「そうして下さい」




「やっほ~お帰り~ジーフ・・・乳女も無事でよかったね」


シンシアが唐突に帰ってきた


「チンチア~オカエリ~オニイチャンは?」


メグミはロリコンの恐怖からジーフの陰に隠れていたがシンシアが帰るとシンシアの元に走る


「ここにいるよ~メグミただいま~」


メグミは俊太にも抱きついた


「オニイチャン・オカエリナサイ」



「わあメグちゃん大きくなった~」

ジュリとムュイがメグミの頭を撫でる



「お土産はあるか?」

ミュイミュイの一言目はそれだった


「そら!お前が好きそうな奴だ!コカトリスの干し肉だ」

レミーはミュイミュイにコカトリスの干し肉を投げる



「おおお、うめえな」

ミュイミュイはそれを噛み噛みする


「ジーフ母さんお帰りなさい、イロハもお帰り、レミーさんもラミーさんもご苦労様です」

俊太はイロハとラミーとレミーにも声をかけた


「はい!いつもお会いしとうございました・・・」

イロハはここぞとばかりに俊太に抱きついた


「ちょっと!乳女!なにどさくさにまぎれて抱きついてんのよ!」

「あら?あなたにお伺いしなくてはいけない理由は無い筈よ!」

シンシアとイロハの口げんかが始まる


その一方でカエデの表情も曇っていた・・それをジーフは感じていた


ユキナリ・・・なんかしゃべろよ・・・


-------------------


パーティが始まった



「君・・・幼くて可愛いね・・・ジュリちゃんだっけ?」


トシイエがジュリを口説く・・・


「は!あの・・近いです・・・」

ジュリは一生懸命トシイエを拒む


この男見た目は20ぐらいだが年齢は200歳を超えている、それでいて幼い顔が好みの変態だ・・・

リザードの女子は幼く見える、背も高くならないし、胸も小さい、トシイエにとってはストライクといえよう。


「もぅお兄様ったら・・・」

イロハはあきれ顔で見ている



「それで!ジーフ様が闇の魔法で相手をとらえて!こうずとーんと!」


「そうそう!ポチちゃんも凄かった!相手を噛みちぎったり、一吠えで従わせたり」


アミーとレミーはジャーニーの武勇伝を俊太達に聞かせる

ミュイミュイとジュリは食事に夢中だ



「それでキンタロウさん?ジェニファーから聞きましたよ死にそうになったって・・」


俺はジェニファーとジーフからお説教を喰らっていた・・・・


メグミはチュウ吉と遊んでいる、ポチはこの空間をただただ眺めている。


軍港建設に忙しい中でつかの間の平和な空間であった


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