第59話 モモから生まれたってあれだよね

ワン!


ポチが吠える、そこには複数のマンドラゴラが群生していた・・


ジーフ

「こんな所があるんですね・・・流石はジャーニー」


ジーフは闇の魔法で皆の聴覚をなくしマンドラゴラを収穫する。

ジーフは皆の聴覚を戻す。


イロハ

「でもこれって・・群生というよりは・・・栽培?って感じがします」


ジーフ

「マンドラゴラを栽培なんて・・・ありえるのかしら」


ラミー

「魔物が・・・出てきませんね・・・」


レミー

「本当、前のは一杯出てきたのに・・・」


!!


ジーフが感づく


ジーフ

「囲まれてしまっているみたいです・・・」


ヴ~


ポチも唸りだした


*「お主たち!我らが育てしマンドラゴラを勝手に抜くとは、何者だ?」


空に無数の飛翔体にのった人間、それも100を超える軍団であった


レミー

「なんだ!あの動物は・・・」


ジーフ

「あれはグリフォン・・そしてそれを操る種族、モモ族・・・噂には聞いていましたが・・本当にグリフォンを飼いならすなど・・・」


イロハ

「武士の格好ですが・・・オワリにはあのような兵はいません」


一匹のグリフォンを操る人間が降り立つ


*「俺はモモ族のモモエモンだ、何しに来た?マンドラゴラは我らの秘薬キビダンゴを作る上で欠かせない薬草、興味本位で収穫するなど許さぬぞ」


イロハ

「あなた達は・・・武士なのですか?オワリとは?」


モモエモン

「オワリ?ノブナガか?ノブナガは確かに我らの祖先と出自は同じなようだな・・しかし我ら一族はもっと古くからこの地に使わされた一族。」


ジーフ

「本当に・・グリフォンなのでしょうか・・・人間を見ると狂暴化するといわれる・・」


モモエモン

「野生のグリフォンとは違うからな・・我らの祖先は、鳥を飼いならす秘薬を作る一族だ、神によりこの地のグリフォンを魔物にさせないように遣わされた、かの地より呼ばれるのは守護者だけではない、それに我らは人間でもない、人間が空想により生み出した構造体だ、それがこの地に来る事により実物化している種族だ。」


ジーフ

「では、今は人間という事ですか?」


モモエモン

「少し違う・・・説明が難しいな・・俺は考えるのが苦手だ・・人間と同じようで同じではない存在だ」


レミー

「何だよそれ・・」


ラミー

「天使みたいな物ですか?」


モモエモン

「うーん近いような・・・お~い誰か説明できるか?」


**「オカシラ~俺らにもわかりません!俺らはモモ族で人間ではない!それだけっす」


モモエモン

「そういう事だ!」


レミー

「モモって言ったら、あのグラスの美味しい果物だよなあ・・思い浮かべるのは・・・」


モモエモン

「なに!そなた!モモを知っているのか?」


ジーフ

「知っているもなにも、私の旦那様がグラスに持ち込んだ果物です」


モモエモン

「モモが食えるのか!・・・・そそそれは、我が一族最大の悲願・・モモを食べたい、今すぐ食えぬか?」


ジーフ

「今すぐは・・・あ!マンドラゴラを譲っていただけるなら、今すぐにでも」


モモエモン

「譲る!我が一族はモモから生まれたとされる一族、しかしこの世界にはモモがない・・モモ属なのにモモの味を知らないのだ」


ジーフ

「ではちょっと呼ぶ生き物がいますのでお待ちくださいね」


ジーフは金太郎印の魔道具を出した、その魔道具にはチュウ吉呼び出しと書いてあるボタンがある

ジーフはそのボタンを押す


しばらくすると、地中に穴が開く

チュウ吉

「呼ばれたでちゅう、ジーフはいるでチュウか?」


これは金太郎が作ったベロニカの魔石転送システムを改良した装置で、ただチュウ吉に知らせるだけの魔道具である。

ただチュウ吉は主とつながっている人物の元に転移出来る力を持つ、そしてチュウキチが認めればその転移の恩恵を誰でも受けれる能力がある、つまりチュウ吉に知らせる事が出来ればどの場所にいても帰る為にチュウ吉を呼び出せる。

太古の聖獣のサンクチュアリマウスの力はそれほどの物であったのである。


ジーフ

「チュウ吉ちゃんお久しぶりね」


チュウ吉

「ジーフ元気チュウ?仕事終わったチュウ?」


チュウ吉はジーフにすりすりする。

チュウ吉はいい匂いのするジーフが大好きである。


ジーフ

「チュウ吉ちゃんにお願いしたい事があって少しグラスまで連れてって」


チュウ吉

「分かったチュウ!」


********************************

久しぶりの主人公です・・・・


今年の桃も豊作だ


俺は桃の収穫をしていた、籠いっぱいの桃は甘い匂いを漂わす

ジャム・お酒・コンポート、色々楽しめるな、そのままが一番うまいが・・・


シャルロット

「いい匂いがしますねこの果物は本当に」


「ああ桃は俺の元いた世界の国でも特別でな、物語があったくらいだ」


シャルロット

「どんな物語ですか?」


ジェニファー

「私も聞いた事がない教えて!」


メグミ

「パアパ、メグも聞きたい!」


「うん!お爺さんは山に芝刈りに、お婆さんは川に洗濯しにいってな、大きな桃が川から、どんぶらこ、どんぶらこって流れてくるんだ・・・・・」


その時空間転移の穴が開いた


チュウ吉

「きたっチュウ!桃園チュウ」


ジーフ

「ありがとう、チュウ吉」


ジーフはチュウ吉のほほにキスをする


チュウ吉

「ジーフ大好きっチュウ」


ジーフ

「ふふふ」


「ジ・・ジーフ?」


ジーフ

「あ!キンタロウさんお久しぶりです、桃を分けていただけますか?」


「あ!ああ」


籠一杯の桃をジーフに渡す


ジーフ

「こんなに!きっとモモ族は喜ぶでしょう・・さ!チュウ吉ちゃん戻りましょう!」


チュウ吉

「まかせろっチュウ」


チュウ吉は再び転移の穴を掘り消えていく


ジーフ

「キンタロウさん、もうすぐで終わりますので、また」


そう言って、ジーフも転移の穴に消えていく


「ちょっと、ジーフ!」


メグミ

「いま、マァマがいたような・・・マァマ・・・ワーンマァマ」


そうである・・ジーフは何かに熱中すると周りが見えなくなる・・・子供すらも・・・


「ああメグミちゃん・・もうすぐ帰ってきますからねえ・・・」


みんなでメグミをあやす・・・


ジーフ早く帰ってきて~



****************************************


転移の穴から再び、チュウ吉とジーフは現れた


ジーフの腕には籠一杯の桃がある。


ジーフ

「お待たせしましたモモです」


モモエモン

「もう持ってきたのか・・グラスとは海の向こうだろ・・」


ジーフ

「はい我が夫の力です、どーぞモモです」


モモエモン

「なんと、かぐわしい果実だ・・・た!食べるぞ」


モモエモンは皮ごとモモをかじる


モモエモン

「なんだ!これは・・・甘い・・美味い・・食べた事がない・・・これがモモか・・」


他のモモ族も地上に降りモモを味わう


ジーフ

「我が夫はモモのお酒なども作っていますよ」


モモエモン

「なんだと!モモのお酒だと・・・うーん飲みたい」


ジーフ

「ではグラスと取引いたしませんか?」


モモエモン

「うむ構わん!俺らはモモを望む!」


ジーフ

「グラスはマンドラゴラを望みます」


モモエモン

「俺はこの大陸を出ることはできない、お主らが来てくれるのか?」


ジーフ

「はい、この聖獣チュウ吉ちゃんは一度来た所でしたら何度でもこれます。生のモモも持ってくれますよ」


モモエモン

「そうか!ならば成立じゃ、今夜は宴じゃ、モモに乾杯じゃ」


**「おおお!」


ジーフ

「私達はグラスに戻るのでここで、お願いがございまして」


モモエモン

「なんだ?」


ジーフ

「テクムセ様にマンドラゴラを一本渡してほしいのですが」


モモエモン

「いいだろう!テクムセはここを支配は出来ん、仲間として共に歩んでおる、渡しておいてやる」


ジーフ

「では、私も娘が待っているのでグラスに戻ります、テクムセ様によろしくお願いしますね」


ジーフ

「さあ皆さん帰りましょう!」

ジーフは上機嫌であった


イロハ

「は!はい」


ラミー

「ああ!はい」


レミー

「おお!おう、宴は~?」


ジーフ達は再び転移の穴により消えて行った



モモエモン

「しかし、面白い奴らじゃ、穴一つで移動するなど・・・」




******************************


ガラグラ

「父上!遅い・・・ジーフ達はまだか・・・」


テクムセ

「何を焦っておる・・ガラグラ?」


**「テクムセ様・・モモ族のモモエモン様がお見えになりました」


テクムセ

「それは珍しい客人だ、通せ・・」


モモエモン

「よ~テクムセ、久しぶりだな!」


テクムセ

「ふ!相変わらず元気そうだ、で、何しに来た?」


モモエモン

「ジーフという魔女からお前にマンドラゴラを届けてほしいって言われてな、ほれ!」


テクムセ

「確かに!」


モモエモン

「それと、モモ族はグラスと交易を始める、それも伝えに来た」


テクムセ

「鬼のパンツでも売るか?」


モモエモン

「マンドラゴラだ!」


テクムセ

「なに?」


モモエモン

「俺らはマンドラゴラの栽培に成功したって事だよ」


テクムセ

「ならば、我らとも取引をしようではないか」


モモエモン

「そうだな・・・俺の子を一人グラスに行かせたい、船を借りたいのだが」


ガラグラ

「モモエモン殿!ジーフ達は?」


モモエモン

「もう帰ったよ!穴に入ってピューだ」


ガラグラ

「あの兎の女もか?」


モモエモン

「おお居たなあ、そんな女も、でも、もう帰ったよ・・」


ガラグラはうなだれる


テクムセ

「さっきからなんだガラグラ?で、グラスに子供を向かわせてどうする?」


モモエモン

「いや面白そうな知識が多そうだからな、俺の子モモタロウは一族最大の使い手、だから我らの祖の名前を付けた。より大きくなってほしい、なんでもあそこには学校があるらしいしな」


ガラグラ

「父上!我らも!グラスと交易を結ぶのですよね・・・ならば私がグラスに行きます!」


テクムセ

「ふふ・・・ハハハハハ面白い・・・グラス島・・小さな国に何があるのか・・・いいだろうガラグラ見てこいグラスを」


ガラグラ

「はい、存分にあの尻尾を・・・いやグラスを見てきます」


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