第58話 変態さんからは、逃げるに限るよね

テクムセは去っていった・・・しかしなぜか居座る男がいる。


ガラグラである。


ガラグラ

「魔女ジーフよ此度の、働き感謝いたす・・・そのなんだ・・・」


ジーフ

「なんですか?ガラグラさん?」


ガラグラはしきりに、ラミーとレミーの方を見ている・・


ガラグラ

「か!彼女達は・・・どういった種族ななななのだ?」


イロハはピーンと来た!


イロハ

「あら・・ジャーニーのガラグラ様といえばオワリでも知らない者はいない男なのに女に興味をお持ちですか?」


ガラグラ

「ふん!乳しか能のない、オワリの女なぞに、言われとうないわ!」


イロハ

「そうですか!、じゃあジーフ様、我々もそろそろこの場を去りましょう」


ガラグラ

「まて!待つんだ・・・分かった・・・正直に言おう・・・一目惚れだ!」


ガラグラは人一倍大きな体をもじもじしながら答える、顔は真っ赤である。


イロハ

「ラミー先輩、レミー先輩!」


ジーフ

「あらあら・ガラグラ様も可愛い所があるのですね」


ガラグラ

「言うな!」


レミー

「呼んだかイロハ?」


ラミー

「何でしょうか?」


ラミーとレミーは、旅支度を中断してやってきた。


ガラグラはうっとりした顔で見る・・・


イロハは二人に耳打ちをする


レミー

「こういった話はアミーは昔からよくあるからな、いいじゃないか守護者の息子であの力、雄の兎族にもあれほどの者はいないぞアミー」


ラミー

「うーん、タイプじゃないんですよね、私は優しさのある、キンタロウ様みたいな方がタイプだから・・・」


ジーフが冷たい視線を向ける


ラミーは縮こまる

「いや!ジーフ様・・あくまでタイプでして・・・その私のような者がキンタロウ様とどうのこうのは・・・」


レミー

「ははは!そーいやそーだな、アミーは昔っから知的な男を好きだったな、そ~シュンタみたいなのが好きだろ!」


今度はイロハが冷たい視線を送る


ラミー

「いや、シュンタ君はモテすぎる・・イロハ安心しなさい、私はそのような感情は持ちません!」


イロハ

「ほんと~ですか~?」


ラミー

「本当よ・・」


レミー

「ははは!そういう事だ!ガラグラ様!こいつはガラグラ様がタイプじゃない!諦めてくれ!」


レミーは身分どうのこうのを気にしない、ぶっきらぼうな性格だ!相手が誰であろうと、正直である。


ガラグラ

「何を言っている・・・俺が一目惚れしたのは・・お前だ・・・言わせるな・・」


レミー

「は!?」


ラミー

「ふふふ・・・レミーよかったわね・・・」


イロハ

「あら~レミー先輩・・凄いじゃないですか」


レミー

「ま!まて、私はがさつだし・・・いったいどこが・・・」


ガラグラ

「尻尾だ・・・・その尻尾のバランス・・・ちょこんと控えめでいて、存在感がある、犬族にもない、猫族にもない・・・かわいらしさ・・・お前の尻尾は極上だ!」


レミー

「ヘ?尻尾?・・・それだけ?」


ガラグラ

「そうだ!それだけで十分じゃないか・・・」


イロハ

「私にはラミー先輩とレミー先輩の尻尾の違いがよくわからないのですが・・」


ガラグラ

「ふん!だから尻尾のない人間の女は駄目なんだ、この澄まし女の尻尾もまあいい尻尾だ、だが見ろ!

この尻尾を」


ガラグラはレミーの尻尾をさわる


レミー

「ひゃう!触るな!・・兎族の尻尾は・・神聖なんだぞ・・・」


ガラグラ

「すまん!神聖なる尻尾を触ってしまった・・・ああこの毛ざわり・・・・素晴らしい・・・この尻尾こそ、俺が求めていた尻尾・・・頼む・・・嫁に来てほしい・・・この通りだ」


ラミー

「そういえば、昔からレミーはいい尻尾を持っているって言われてたわね・・・」


ガラグラ

「そうか・・そうだろう、兎族は分かっている・・・尻尾の良しあしを」


ガラグラは四つん這いになる。


周りは??状態である


ガラグラ

「どうだ、座ってみないか俺の背中に・・・俺の背中にその尻尾を味あわせてくれ・・・」


流石にコタの住人もジーフもイロハもラミーもその行動に引く・・・


レミー

「座ればいいのか?」

レミーは遠慮なしに座る・・・って座るのかい!


ガラグラ

「ああ!これだ・・・これだよ!追い求めていた味わいだ・・・」


レミー

「なんだ?お前気持ち悪いな・・・」


ガラグラ

「何とでも言ってくれ・・・俺はこの尻尾があればいい・・」


周りはどん引きである・・・


イロハ

「ああ!早くマンドラゴラを探しに行きましょう・・」


ジーフ

「そ!そうね、早い所探してグラスに戻りましょう・・・」


ラミー

「ほら・・レミー、行くよ」


ラミーはレミーを引っ張る


ラミー

「おバカ!あれは生粋の変態よ!レミー・・・逃げましょう」


レミー

「やっぱりか・・・あれが変態か・・・逃げよう」


ガラグラ

「待ってくれ!是非嫁に来てくれ・・・」


レミー

「いや!私はまだ学生だ!グラスに戻らないといけないから・・なあ!ラミー」


ラミー

「そ!そうですよ・・・私達は学生です・・・グラスに戻らねば・・・」


ジーフ

「ガラグラ様・・レミーは私の護衛をしている身ですので、レミーをここで置いていくわけにはいきませんの・・ごめんなさいね」


イロハ

「ジーフ様・・準備が出来ています、コタの住民から食料ももらいましたので行きましょう」


ジーフ達は、犬にまたがり逃げるようにコタの村を旅立つ



ガラグラ

「お!俺はあきらめないぞ!」


ガラグラの怒声がむなしく荒野に響いた・・・


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