第57話 バジリスクを食べる虫・・すごいよね
先制攻撃はナバポ族からだった
オロロロロロロ~ 奇妙な掛け声は変わらない、多くの火弾、水刃、風刃、石つぶて、氷槍の遠距離魔法攻撃がバジリスクとコカトリスの軍団を襲う、ナバポの戦士達はすべての兵が魔法を使える極めて高い戦闘能力を持っているのだ。
バジリスクの元のコカトリスはすでに数体が崩れ倒れている。
テクムス
「いかん!下がらせろ!」
ガラグラ
「オ~ロロ~」
ガラグラは奇妙な大声をナバポ族に向ける、ナバポの前衛は後退を開始する、しかし遅かった!
怒り狂ったバジリスクはナバポ族に向かい、口から毒々しい瘴気を吐き出した、ナバポ族の前衛の10人ほどはその瘴気を浴びてしまった。
なんとその瘴気を浴びたとたんにナバポ族の戦士は溶けだしたのである。
全身に浴びたものは、骨と化し、腕にかかったものは腕の肉が溶け出した
オロロロロロロ~
それでもナバポ族は怯まない・・すでに致命傷を浴びたものは立ち止まり、己の残りの魔力を込めてバジリスクを攻撃する、しかしその行為は時間稼ぎにはならなかった。ナバポの戦士たちは瘴気により溶かされていく。
その時バジリスクの後方を灼熱の炎が襲う、ライガの攻撃がバジリスクに届いたのである。
バジリスクは攻撃対象をライガに変える、ライガに瘴気を浴びせる、しかしライガには瘴気は効かない。
怒り狂ったバジリスクはライガに全速力で特攻を仕掛ける。大きさはライガの10倍はあろうバジリスクだ頑丈な鱗に守られたライガもその攻撃を食らい吹っ飛ぶ!
ゴギゃ~
ライガも怒り狂う・・・
そして今度はポチの攻撃がバジリスクを襲った・・・
ポチの地獄の業火はバジリスクの表面を赤く溶けさせる、バジリスクはポチに向かい瘴気を吐く。
ポチはもう一つの頭で、地獄の冷気をその瘴気にぶつける、瘴気は氷付き地面に落ちる
すでに、バジリスクの周りのコカトリスはライガとポチの攻撃により殲滅されている。
今度はポチに向かうバジリスクしかし、ライガはそれを許さない、ライガの爪がバジリスクを切り裂く。
切口は赤く燃えている。
ゴギャ~!バジリスクが苦しみの雄たけびを上げる、大地が震える雄たけびだ。
ガラグラ
「しかし、しぶてえな・・あの怪物は・・・」
ジーフ
「薬が完成しました、イロハちゃん弱っている人に飲ませて、エリカ姉さん、私達もやりませんか?」
エリカ
「あら!あれをやるのかい?腕が鳴るね」
ジーフとエリカはお互いに背を合わせ、手を天にかざし気を込め始める・・・
段々とあたりが暗くなり始めた・・・
エリカ
「悪しき闇の虫たちよ!暴れる相手ができたぞ!ほれ、狩っちまいな!」
バジリスクの周りの地面がモコモコと動き出す、それは何億を超える、甲虫の大軍、スカラベの大軍だ、スカラベの大軍がバジリスクに纏わりつく、そしてポチやライガによってできた傷跡に群がる、そしてバジリスクを食べる、カリカリと食べまくる
ホギャ~ボオオア~ホゲァ~
バジリスクは悲痛な叫びを上げる
スカラベはバジリスクを食べつくし、また地面に潜っていった・・
後にはバジリスクの骨と鱗が少し残っていただけだった。
ジーフ
「ふぅ~ 疲れました・・・」
ジーフは倒れるようにエリカにもたれかかる
エリカ
「いや~スカラベ召喚なんて久しぶりだな!」
エリカはジーフを支えて寝かしつける、
エリカ
「そこのジーフのお弟子さん、コカトリスの肝から作った薬をジーフにも飲ませてあげな」
イロハ
「は!はい」
あっけにとられていたイロハはジーフに歩み寄る
ワン!ワン!
いつものポチの姿になりポチも戻ってきた
ライガも人間大の大きさに戻りテクムセの元にくる
薬を飲み気力を戻したジーフはポチに抱き着き感謝していた、ポチも尻尾をフリフリして
お腹を見せ、もっと撫でろと催促をする。
それを見ていたライガはひっくり返りテクムセにお腹を見せる
テクムセ
「何をしている、ライガ?行くぞ」
テクムセはこの場を去ろうとする・・・うらやましそうにポチを眺めるライガ・・・
勝ち誇りモフモフされるポチ・・・・
テクムセ
「ジーフ!われら用のマンドラゴラが取れたらまた呼ぶがよい!バジリスクの件は感謝する」
テクムセは風と共に去っていった
ジオン
「我ら剛犬族も村に戻ろう、ジーフバインその活躍、長老にも伝えよう」
ワオーン!剛犬族たちも遠吠えとともにその場を去っていく、その声を聴いたナバポ族も撤収をしていった・
ジーフ
「もう一個が見つからないのにねえ・・・おまけしてくれてもいいのに・・」
村人たちが穴から出てきて、コカトリスの脅威が去った事に喜んでいた
「もう一つ探しますか」
ジーフは帰り支度を始める
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