第27話 それストーカーともいうよね
私はマニの国の生まれ。
マニは自然を愛し、皆が優しい国。
私が覚えている事は少ない、覚えているのは父が優しく微笑む顔。
そして優しい笑顔で見つめる母
しかし私が5歳の時、それは起こった、イノケ教団によるバルドル侵攻
バルドルは太陽の国、マニの国の兄弟国
太陽の神の国バルドルと、月の神の国マニは、二つで一つの強大な国であった。
しかし代を重ね、守護者の血が薄くなったバルドルは、守護者の力を持つイノケによって滅ぼされた。
兄弟国が滅ぼされたマニは、生きる道を探したが闇を崇拝するマニをイノケは許す事は無かった。
マニの男たちは立ち上がった、その中に父もいた・・しかし父は帰ってこなかった
イノケによる魔女狩りが始まった、闇を崇拝するマニには多くの魔女がいたが、多くは殺された。
イノケのいう魔女とは全然違うのに・・マニの魔女はその力で民を救い民を守る存在だった。
永遠の美しさをもち、マニの女はみんな憧れた、そして母もその一人だった。
母は私の目の前で殺された・・多くの魔女と共に。
魔女の子も皆捕まった、そして順番に殺されていった。
見せしめの様に・・私の番が来た、町の住民はみな哀れみの顔で私を見ていた。
その時、空から白い角をもつ馬に乗った老人が現れた。
老人により子供達は救出された、マニの男が何人束になっても敵わなかった不死の騎士はその男の手によって消し去られた。
そして町を救いに、ベロニカの混合種族の兵が沢山やってきた。
白馬に乗った老人は強かった、しかし、イノケの兵は死を恐れない。そして死んだはずの不死の騎士は再び老人の前に立ちはだかった。 より強くなって・・・それでも老人の方が強かった。
しかし、不死の騎士は死ぬたびに強くなって戻ってきた。
やがて老人は不死の騎士を殺さないように闘った。
そして闘いは拮抗していた、老人の名はグラス・クロムウェルという東の島の守護者だった
優しい人だった、老人でありながらその背中は威厳もあった
私は老人の側を離れなかった。
老人もまた私を可愛がってくれた、思えばグラスさんは老人だったけど、私の初恋の人だと今は思う
とにかく、かっこよかった・・・
イノケとベロニカの戦争がマニを舞台に始まった。マニに残った人は皆ベロニカに協力した。
そして戦争はマニの西側をイノケ教国とし、東側をベロニカとする事で戦争は終わった。
救い出された子供達は皆、老人の島に引き取られた。しかし私だけは、とある魔女の元に引き取られた。
ベロニカ王の庇護を受ける叔母シーナレインの元に、叔母シーナの元で私は修業をした、シーナもまた私を実の娘の用に可愛がってくれた。
18の時私は闇の召喚に成功した、ソロモンの使徒オロケリスと契約を交わした。
私は魔力高きものの寵愛を受けなくてはならないとされた、そうしないと私はオロケリスにより
魂を食べられる。
私を手に入れた者は、闇の加護も手に入れる、それが使途オロケリスの力。
私は決めていた、魔女になったらグラスさんの側に行くと、あれだけ凄い人だから
きっと、私を受け入れてくれる。
しかし、その夢はすぐに砕け散った。
守護者グラスが死んだ、と信じられない事を聞いた。私の夢は無くなった
叔母のシーナは、一緒にベロニカ王の庇護に入るように進めてきた、しかし私は何かを失っていた
その時父を失った事、母を失った事の悲しみが関を切ったように押し寄せてきた・・
幼き私に母はいつも言っていた
「魔女だって恋をするのよ 自分の好きになった人の役に立ちたいという気持ちは大事なのよ 私とお父さんの様にね」
私は一生一人で過ごそうと決心した、オノケリスによって魂が消滅しようとも・・・
しかしその決心を揺るがす伝えがあった・・
守護者グラスの、意思を継いだ守護者、ツユキが孤児の保護を開始した。
子供達の教育者を募集している、と、私は居てもたっても居られなかった。
すぐにその募集に飛びついた。教師の中で、人間は剣士の女性と私だけだった、剣士の女性はミラといい
その守護者を知っているようだった。
そしてグラスさんに似ているといっていた。
私の期待は高まっていた
島に付いてその期待は打ち砕かれた、ツユキキンタロウという男はその辺にいるような男だった
グラスさんの威厳など何処にもなかった。
でも島の人はツユキを慕っていた、金ちゃんなんて呼ばれていた。
守護者なのに皆と対等に過ごしていた、私はツユキを観察した。
ある時、学校の授業で森を探索していたら。ブラッドオークの群れに出くわした、ブラッドオークなんてベロニカやマニにはまず出ない危険な魔物。
防衛者が来るまで私は何とかブラッドオークを食い止めようとした。
その時ツユキが現れた。
ツユキは、恐ろしい切れ味の剣でブラッドオークを次々と切り殺していった。
そして、私達を守りきった。私達は喜び勇んだ
しかし、一番最初に襲われた子供の元にツユキは近寄り彼は治癒を施していた。しかしその子供は既に最初の一撃で死んでいた。
この世界では、死ぬことを悲しむより生き残った事を喜ぶのが普通だ。
しかし彼は死んだ子供に涙していた、そんな守護者は聞いた事がない、彼は優しすぎるのだ・・・
彼はその優しさに潰されてしまうのではないか・・再び私は彼に興味を持った
彼は優しくそして強い男だった・・そう、グラスさんの様に、私は決めた彼の為に生きようと。
しかしツユキには魔女の誘惑も効かなかった、魔女の力が湧く夜でさえも・・
ツユキは私を抱かなかった。
私はもう決めた事をあきらめるつもりはなかった。
この世界では魔女の側女を置く事は、その物を守るのに必要なこと、増しては守護者の彼には魔女の力は絶対に必要なはずだ・・
彼の奥さんのジェニファーは美しい人だった。
そして彼女にも相談した、彼女は快諾してくれた。
むしろ一緒に金ちゃんを守ってほしいと、彼女は子供を身ごもっていた
だから私は彼女が動けない分、彼を見守った。
彼は禍々しい力を秘めた、可愛い犬を連れるようになった、その犬は物凄い強かった。
私の存在に気付いているようだったが、敵意がない事を見透かしているかのようだった。
それはグラスさんと行動を共にしていた、『聖獣ユニコーン』の様だった
そして、彼はもう一匹、聖獣を持っていた。
鼠のような聖獣だ、
その聖獣も物凄い力を秘めているようだが・・
彼には邪険に扱われているのか、可愛がられているのか分からなかった。
まるで友達の様だ。
彼には妹の様な存在がいた、しかし髪の色も全然違い血の繋がっていないのは明白だった。
そして彼女にも大きな力があるようだが、彼女自身がその力を否定しているようだった。
彼女は私の存在を認めなかった・・・
しかし彼女は条件を出してきた、自分の体を成長させてほしい。
彼女には神に掛けられた力があるようだった。
そんな彼女の体に、年齢を操作する闇の上位魔法をかけるなど、魔女になりたての私には難しかった。 しかし誓った、彼の側にいる為に・・
その為彼女には何回もあった、彼女もまた悩んでいた・・
彼女が望む事は普通の女の子になりたい・・・彼女もまた守護者だった
彼女と触れ合う事で彼女と仲良くなった、そして分かった、守護者もまた魔女と同じように普通の人間であるということを。
そういう目で見るとツユキは人間らしかった、作物を愛し守護者でありながら農耕を好む。
新しく作り上げた作物を皆で分け合って食べる。
彼にグラスさんの様な威厳は無いが、彼には壁がない
ノームもエルフも鬼人もドワーフも、あの人間嫌いのリザードまでもが彼を信用している。
また彼が作りだす魔道具は、武器よりも生活に役立つものばかりであった。
そんな彼が作り出す世界に、人は集まる、小さなグラスの町も大きくなった。
そして私はシンシアの体を成長させる秘薬を作りだした。神の力で作られたその体を、5歳は成長させれるだろう、しかし5年もすれば薬の効き目も無くなり再び成長は止まる。
シンシアは喜んでくれた、シンシアは彼の家に私の居場所を作ってくれた、ジェニファーもそれを受け入れてくれた。
しかし彼は一向に私に手を出す事はなかった
しかしシンシアやキンタロウとふれあって分かった。それは私を拒絶しているのではなく
彼の力によってそれを抑えているだけであると。
そういう価値観の世界から来ているのだと、ならば私は構わない、彼の側で彼を助けられるのならば
彼の寵愛がなくても、私の魂がオノケリスに喰いつくされようとも。
しかし時を追うごとに、オノケリスの精神は私を侵食し始める。
それは、闘いが起きると実感した、敵と認識した相手に私は容赦のない攻撃をしている、子供達の中には私を怖がる子供も出てきた。
このままだと、私は悪魔になってしまうのではないだろうか・・・
ジェニファーに相談をした、彼女は任せてという
しかし、私はこのままここにいれば、迷惑をかけてしまう存在になるのが怖かった・・
満月の夜、闇の力が最大に増大する夜だった
その夜私はジェニファーに彼の部屋で待つように言われた。
それは彼の望まぬ事なのでは?
でもジェニファーはそんな事はない、と彼と二人きりにした
彼は葛藤しているようだった。
私は彼に言った
「大丈夫です、私は側に入られるだけで幸せですから」
そう言葉で言いながら、私がここを去る時が来るのを実感した。
私は部屋を出ようとした
しかしその晩の彼は違った
私を掴み、抱きしめベットに押し倒した。
そして、私は始めてを彼にささげた。それは激しかった経験の無い私には厳しい物があった・・
彼は私が初めてなのに驚いていたが、その理由を聞いて納得していた。
そして今度は優しく抱きしめてくれて、優しく愛してくれた。
幸せだった・・・それが私の魔力のせいだとしても・・・
しかし、翌朝、私は後悔した。
私の魔力で彼を陥れてしまったのだと・・・
しかし、その日から彼は私を愛してくれた、ジェニファーと同じように。
そして、シンシアが私のお腹に子供がいると教えてくれた。
その日から彼は私をもっと大事にしてくれた
母が言ってた事がよくわかった、これが女の幸せなんだと。魔女も人間この幸せを求めていたのだと。
彼に愛されるようになってからオノケリスの魂への浸食は止まった。
メグミを産むまで彼は私には手を出さなかったが、一緒に添い寝はしてくれた。
なにせ彼の夜は激しいから、子供に影響が出るのを彼は恐れていたようだった。
でもその心づかいがうれしかった
メグミを産むと、彼の激しい夜は再開した、メグミが成人するまでは避妊するといい、みた事もないくらいに薄い避妊具を付けていた。
羊の腸の物はあるのは知っていたが、彼が出した避妊具は羊の腸などとは比べ物にならなかった
なにせ付けているのに彼の形を感じた・・
そして彼の激しい夜にも、その避妊具は壊れる事のない丈夫さだった。
ちょっと夜は怖い所あるけど彼はとても優しく強い男で私は幸せ者である
この幸せがずっと続いてほしい
ちなみに私が彼に愛されると、オノケリスも快感を感じているようだ
この事は黙っておこう・・・私を抱きながら、悪魔も抱いている事になっているなんて。
今日はシンシアと俊太が一緒に学校に行っている、まるで夫婦みたいに仲がいい。
シンシアと俊太は血は繋がっていないし、いっそ・・・いやこれは私が決める事ではない。
本人達がどういう答えを出すか私は応援しよう。
メグミは元気に私のおっぱいを吸ってくれている。
夜のパパみたいに・・・ふふふ ああ幸せ
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