第20話 資源は町を潤すよね

夏になった


西瓜は各農家でも順調に育ち、今年はツユキ商店でベロニカ向けに販売もできそうである

そのままでもそれなりに持つし

水魔法が得意な海人属が同乗してるなら、冷やす能力も持っているはず


翔太も元気にジェニファーのおっぱいを独占している

夜はパパが独占するけどな

この年で母乳の味を知ってしまった・・・お恥ずかしい


シンシアはこの夏は活発に動いている、まあお姉ちゃんだしな

いずれ俊太にも身長を抜かされてしまうのは可哀そうだが


シンシアは守護者なので、全属性に優位性を持っているはずだが、魔法の習得がうまくない

こんなこともあるのか


ただ動物と会話する能力は闇属性になるそうで、闇の属性の魔力は高いようだ

本に闇の属性は他の属性の成長を阻害するとあったのでそのためかもしれない

魔女に聞いて・・・いや、やめておこう


さて作物の方だが、ケナフ栽培は順調だ春植えたケナフは、人間の背丈を超えて綺麗な花を咲かせている。 これならいい種も取れるだろう


今年から始めている作物で、目玉は米だろう。

米は、既にオワリに存在するがらしいが、なかなかここまでは回ってこない。


なら種もみをポチりして苗を作り。

丘の南にある湿地帯に地巻きした、とりあえず自然に栽培させてみる。銘柄はコシヒカリだ。


見に行くとすくすくと成長している

これなら育ちそうだ、収穫が出来たら、本格的な田んぼを作ってみようと思う。


そして今年から導入したもう一つは、トウモロコシとジャガイモとサツマイモ

主食となる作物である


トウモロコシもすでにこの世界には導入されている、しかし味は・・・・だった

家畜の飼料用だな。


ならばハニーな、トウモロコシを育てようとおもい育てた。

トウモロコシも、痩せた土地で育つ作物だが、水を多く必要とする。

その割に水はけのいい土地を好むメンドクサイ作物だ、ウリ科と同じである

まあ学校の子供の、水魔法練習の一環でトウモロコシ畑は町で管理している。

育てるのはさほど難しくない作物なので大丈夫だろう


胡椒は熱帯の作物なので冬対策をしないといけない、ビニールハウスを作るか・・・・

透明な膜を作る技術さえできれば再現もできるだろうし、ガラスで温室を作ってもいい。

ガラスの加工はドワーフの女性が得意だそうだ。


果物たちは、予想以上に素晴らしかった。富士も梨もサクランボも桃もスモモも杏も実をつけた。

梅は塩に着けている梅と蒸留酒に付け込んだ梅がある、まあ氷砂糖や瓶などはポチったが

砂糖はこの世界にもあるが、流通量が少なく効果らしい、砂糖生産も今後考えよう。


出来のいい果物の種は、芽を出させて実験農場で育成する

残った果物は収穫しだいツユキ商店に卸した 


大豆は今年も数を増やしている

これなら今年の冬にミソと醤油の醸造に取り掛かれそうだ、醤油が出回れば納豆も売れるだろう、多分ね。


もう一つは菜の花の利用が本格化した、まだまだ油は高級品だが、菜の花の種を絞り油にする工程を確立したので。

今年の冬から工場が稼働する、町営の工場である、冬は農家の仕事が減るのでちょうどいいだろう。


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さて狩りだが北の森も南の森も冒険者や町の開拓団に任せている

モンスターが強いとときに要請を受けてて俺が出て行っている。

もっぱら俺個人が行っているのは、丘の裏の大きな山、グラス火山だ 


狩りにはポチを連れて行っているが


最初は


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モンスターが現れた


ポチが吠えた

モンスターが逃げ出した!


俺は見ていた

ポチはほめろと言わんばかりにしっぽを振ってこっちを見ている


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グレイドックが現れたら・・・・


グレイドックが現れた

ポチが吠えた


グレイドックが仲間になりたそうな目でこちらを見ている

俺は見ていた

ポチは褒めろと言わんばかりにしっぽを振ってこっちを見ている


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まてまて!俺の修行にならないし倒さないと魔石が手に入らない。

ポチに、もう少し気配を消させた。俺が危ない時だけ戦っていいと。

じゃないと俺は見ているだけになっちゃうしね。

まあ今はそんな感じで狩りをしている


グラスの山には

ブラッドオーグ(イノシシの魔物)デスサーペント(蛇の魔物)フォレストナイト(木の人形みたいな魔物)ドンバチロック(岩の人形みたいな魔物)

そしてまれにストーンゴーレム が現れる


ストーンゴーレムが現れた時は少しビビった、しかし俺も成長したのだろう落ち着けば倒せる相手だ。

ストーンゴーレムは大概、魔石の他に貴重な石を落とす、鉄の塊や銅の塊、稀に金や銀の塊、1回だけ宝石もあった、宝石は解析の力で見ると

『ダイヤモンド』

前世界なら億の値段がつく代物かもしれないくらいに大きかった。


ベロニカ商会に持っていくと、この世界でも価値が高く、簡単に換金できる代物ではないという事だった

ということで、いざというときの家宝にした。


1日に一回ストーンゴーレムには会えた、おそらく一体はボスとして存在する、倒されると夜に新しいボスが生まれる。

他の森の魔物と違い統率がある

ストーンゴーレムを倒すとその日は魔物の姿がなくなる。 

ボスみたいなものだな、しかしダイヤは勿論だがその他金属類も貴重だ。

他の魔物もたまに鉱石類は落とすがストーンゴーレムに関すれば必ず落とす。

強い相手だがポチもいるし大丈夫だろう


最初のほうは怪我をしてジェニファーに怒られたが・・・


ハーフノームのクリスが鉱物類に詳しい、ストーンゴーレムが出るということはこの山に鉱脈があるということで、鉱山を掘れば金属が取れるはずという。


興味深い話だ・・・しかし鉱脈というのは取りすぎれば枯れるもの

埋蔵量はどんなもんだろう


それにはクリスが答えた、ストーンゴーレムが出るくらいなら枯れないという。

地下から魔のエネルギーと共に湧き上がってるはずだと、それを魔物が取り込み倒せばドロップする

ってことらしい。


鉱山はそれを発生しやすくする穴で、炭鉱を掘ればそのモンスターがその穴に集結するから

穴から出てくるモンスターを、狩りつづければいいだけ何だそうだ。


とはいえこの世界でそういった炭鉱は多くなく、一個あれば国の財政に左右する代物らしい

そりゃそうだろう・・・・ 

そんなもの幾つもあれば価値がなくなる


なら、まだまだ町の財政は不安だらけなので、鉱山を作ろうと思う。

場所も町からは離れているし、ここの町営業の鉱山(という名の兵隊詰所)を作り町の経済を潤す

これはいい案だ、さっそく町に行き、炭鉱ギルドの創設の手続きをする。


取り分は5割討伐者、3割統治者、2割運営者これが炭鉱ギルドの相場らしいので

職員と討伐者の募集をした


その際に例のダイヤモンドを出し、こんなものが取れたと宣伝した。

するとあっという間に、討伐者も職員も集まった。


しかしストーンゴーレムは、強いのでそこで選抜した。


治癒魔法使いは絶対に必要だ、森には毒を持つデスサーペントもいるので解毒魔法以上が使えるもので

治癒魔法使いは数人にまで絞られた。


剣士や攻撃魔法を使う討伐者は、ストーンゴーレムにダメージを与える力を見るため、

俺が土魔法で壁を作り、それを壊せる者のみ雇った。


そうすると

治癒魔法士5人

剣士 15人

火魔法士 5人

土魔法士 3人

水魔法士 3人

討伐体で31人集まった 今後このメンバーを炭鉱衆と名付け山の治安も担うことにしよう


運営職員として

経理 5人

ベロニカ商会との連絡官 3人

鉱物鑑定士 3人 

建設作業員 2人

食事や掃除などの雑務 10人

を正式に雇った、雑務要因は討伐隊の試験に落ちたものを当てた 力が付けば討伐隊に参加する

感じだ、要は討伐隊見習い扱いだ。


なんか肩書は男ばかりなようだが

治癒魔法士は5人中4人が女性で、剣士も15人中5人が女性だ。

魔法士に関しては女性の比率のほうが高い

雑務隊も5人男5人女で構成している。


いずれ彼らの中でカップルができ子供ができることもあるだろう

だから詰所の予定地を開拓し、伐採し浄化して一つの村として機能するように計画した。

町への道も整備する手はずだ。

犬たちもここにかなりの数を配置している。


まあ、どんどんグレイドックは人間側についているので、犬の仕事場を作るのも大事だ。

それに魔物のブラッドオークは毛皮も使え肉も旨い、骨は犬の大好物だ。

周りの森よりも出没する魔物が強いがその分、精鋭が集まっているので問題もなかろう。


丘からも近いので、私もすぐに駆けつけることができる。

連絡手段に犬の遠吠えがあるからね


犬に乗り込めば、1時間もかからないだろう

そのために道の整備からだ


道の整理、炭鉱集落の建設、魔物を閉じ込める壁建設に、穴掘りとやることは多い。

まあハーフノームのクリスやドワーフ、それに俺といった土魔法の上位はいるのでさほど時間はだろう


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雇った人への最低給金もあり、早くしないと資金が枯渇するので工事は急ピッチだ。

雇った人たちも精鋭ぞろいで、力はあるし各魔法士も開拓に役に立つ。


火の魔法士は森を焼く、水の魔法士は飲み水を作ったり、水のカッターで木を切り刻む、土の魔法士は土を固めて道を作る。

剣士達も力自慢の、その腕っぷしで現れる魔物を一刀両断!雑務の見習いだってなかなか強い。


町の炭鉱ギルド事務所には今でも希望者が後を絶たない、それほどこの世界で炭鉱は給金がいいのだ

だが、すべての工事が終わるころには半年を要した。


季節も冬である


やっと、穴掘りが始まる、穴の奥が見えなくなる時に、穴を掘っていたノーム鉱夫が走って逃げてきた、最初のストーンゴーレムが現れたようだ。


剣士の鬼人の主導で数10分でストーンゴーレムを倒した

この剣士は精鋭の中でも特に強い、名はハムラという鬼族である。 

各地に傭兵として点在する鬼族だが、祖国はオワリの支配の下にある。

だから、国には帰らなくなった鬼族は、各地でそのまま傭兵となったり、討伐者として生計を立てている。

その中の一人だ寿命も長く、戦闘経験も豊富な彼らは貴重だろう。


ハムラをこの討伐隊の隊長とした、他の討伐者も異議はないようだ、それほどに彼は強いだろう。

事務方の長は経理のエルフ族のリリー、計算が早く、風の魔法も使える女性だ。

いかんせんエルフだけに美しい・・鬼の形相のハムラですらリリーの前ではでれでれだ・・・

リリーは小悪魔と言えよう、男を使うのがうまい、それでいて女性からも信頼されている姉御肌。

なんと年齢は500歳を超えるらしい・・・エルフは老けないのか・・・

今まで産んだ子供は10人になるベテランママでもある

エルフはあまり子供ができないのでエルフとしてもベテランということだ

その10人すべて父親が違うという・・・まあ500年だしね・・ビッチとも違うだろう


彼女のような、エルフの国にいないエルフは、放浪エルフと言い子供への執着は少ないようである。

彼女の子も、エルフの国にいったり、自分と同じように放浪したりしているらしい。

それぞれの人生に干渉はしない主義らしい。


俺のこれからの生き方を考えるうえでも彼女に相談することもあるだろう

(決して下心はないよ)


さて初めて炭鉱ギルドで収穫ができた

ストーンゴーレムを倒したら、一緒に出てきた魔物もみんな消滅した。


出てきていたのは

ストーンナイト(石で出来た戦士) ブラッドコウモリ(集団で現れるコウモリ)ドンバチロック(たまに爆発する石の魔物)ストーンマン(石で出来た人型の魔物) 

この4種類だ


ハーフは出ない 

ブラッドオーグ(イノシシの魔物)デスサーペント(蛇の魔物)は森の魔物なので鉱山からは出没しないのである。

これらは森に行けばすぐに会えるので食料として鉱山組と食料確保組が出来上がる、そして町に野菜などを買いに行くのは雑務兵の役割だ。


今回のストーンゴーレムのドロップは鉄の塊、他に魔物が落とした銅の塊もある。

今までの俺が狩りしていた中でははずれのほうかな・・

この世界では銅より鉄のほうが価値があるので、それなりに喜んでいる。


そしてストーンゴーレムを倒すとその日は鉱山の魔物は現れない、その隙に中の穴を広げる。そうすると次の日さらに多くの魔物が出てくるというわけだ。


出てくる魔物も石で出来ているので、魔物を狩るだけでも穴は広がっていく、だんだんと魔物の数は増えていくらしいが、鉱山のエネルギーの上限からは増えないそうだ。

増えるにしたがって、討伐隊も増やさないといけない訳だね。

そうなれば鉱山衆はこの町の巨大戦力になるだろう、すでに今の状態でも防衛兵に匹敵するレベルだ。


先が楽しみである


しかし便利な鉱山だ、勝手に掘って勝手に地上に出てくれる鉱物・・・前世界では考えられない

しかも鉱物ごとに精製された状態で鉱物が手に入る。

クリスいわくここの鉱物の代物は素晴らしい・・世界でも有数の鉱山になるとの事である。


夜には鉱山の入口を閉める、ストーンゴーレムサイズの扉だ、クリスのお手製の扉はすごい。

鉱山の魔物は、光を目指す性格なので閉めている間は外に出ようとしない

何とも便利な性格だろう・・・・


休日も作れるというのか・・・・

これは鉱山が人気職業なのもうなづける。


鉱山が軌道に乗って、鉱山からの収益も安定して町に入ってきた。

そしてもうすぐ4年目の春が来る、俊太も1歳を迎えようとしている。

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