第18話 子供が生まれる時って男は役にたたないよね

梅の花が咲き始めたころにそれは起きた。


もうお腹が大きいのにジェニファーは魔法の練習をしている

シンシアも側にいるが流石に心配になる


ジェニファー

「いいシンシア、水というのは目に見えるだけでなくて、空気の中にも多く含まれ散るのよ」


シンシア

「言っている事は分かってるんだけど、なんか白い煙にしかならないんだよね」


ジェニファー

「いい見ててね」

 

ジェニファーは空気中に小さな雲を作り出し畑に水をまき始める


シンシア

「何度見ても信じられないのよね」


シンシアも真似るがうまくいかない


ジェニファー

「あ! 痛い ・・」


ジェニファーがお腹を押さえうずくまる


シンシア

「ジェニファー・・大丈夫?ジェニファー!ちょ、キンタロー!ジェニファーが大変!」


農作業をしていた俺も急いでジェニファーの元に向かう


「ジェニファー!大丈夫か!今ベットに連れていくから しっかりしろよ」


お姫様だっこで、ジェニファーを慎重に運ぶ。

予定日より少し早い・・・大変だ!


シンシア

「ポチ!ちゅう吉、産婆さん呼んできて」


チュウ吉

「任せるでチュ~」


ポチ

「まかせるワン」


ポチはともかくチュウ吉は役に立つのか?・・・とはいえそんな余裕もない


チュウ吉は穴を掘り消えていった


ポチは遠吠えをしている


ジェニファーを家に運び寝かせる


やはり俺が走って産婆さんを連れてくるか・・・



すると家の外からちゅう吉の声が


「そろそろ来るっちゅ~ 」


遠くから悲鳴が聞こえる


「ひゃ~ 」


「ひゃ~ 」


「はやい~」


産婆さんとララさんとミミさんが犬に捕まってこちらに来た


産婆

「なんだい、でかい鼠が、ジェニファーが産気づいたっていきなり現れてね、表に犬達がいるじゃないか、犬達が私を背中に乗せてね、あっという間に丘の上の家に付いちまったよ怖かったね~」


ララ

「いや~怖かったよ、でもジェニファーは大丈夫なのかい?」


ミイ

「私らはベテランだからね、任せてよ」


産婆

「シンシアも手伝っておくれ、金ちゃんは手でも握ってあげなさい」


こんな時は本当に男は役に立たない


手を握りジェニファーに声をかける


「あぁ、痛い・・あぁ」


ジェニファーが強く手を握る


「こんなに、痛いなんて・・・もう・・子供いらない・・あぁ」


産婆

「ほら!頑張って、ほら」


そんな格闘がしばらく続く・・・


ララ

「破水したよ、もう来るね、ほら!いきんで」


ジェニファー

「うぅ~・・はぁはぁ・・うぅ~・・はぁはぁ」


ジェニファーがいきむたびに、俺もいきんでしまう


産婆

「頭が見えてきたよ、いきんで」


ミミ

「もうすぐだ!ほらジェニファー!頑張って」


ララ

「シンシア!綺麗な布とお水を用意して」


シンシアが、あわただしく動く


「んぎゃ~・・ぎゃ~・・うんぎゃ」


赤ん坊の声が聞こえた 生まれた・・・俺の子がうまれたんだ・・・


産婆

「元気な男の子だ、これは男前になるねえ」


ララ

「あら本当に、いい男になりそうだこと」


産婆

「ほら、お母さんだよ」


産婆さんは綺麗な布に赤子をくるんでジェニファーに渡す


ララ

「ふぅ~元気に生まれてよかったね、さて片づけるかい」


ミミ

「ほら!金ちゃん、パパになったんだから 頑張んなさいよ」


産婆

「じゃあ私は次のお産もあるかもしれないから、戻るよ」


産婆さんは、また犬に乗り、悲鳴を上げながら町に戻る・・・


ジェニファーは聖母の微笑みで赤ん坊を抱いている


俺は泣きながら赤ん坊ごとジェニファーを抱いた

「ありがとう・・ジェニファー・・ありがとう・・あかちゃん・・ありがとう」


こうして俺の子供が生まれた


名前は男の子だったので俊太となずけた


普通の名前だ、でもこの世界では普通じゃないのかもしれないけど

日本人らしい名前にしたかった


しかし・・ちゅう吉とポチ・・一体何を?


ちゅう吉

「簡単だっチュ~、移動穴を作ってっチュ~」


「移動穴?」


ちゅう吉

「シンシアに頼まれたっちゅう、吾輩の特技っちゅ~、一回行ったところに穴をつなげるっちゅ~」


そんな技があったのか・・太古の聖獣もあながち嘘ではないということか・・・・


ポチ

「我もたのまれたワン、だから犬達に伝えたワン、連れて来いと、だから我をなでるだワン 

褒めるだワン!ついでに犬達もなでるだワン!」


ポチと犬達がお腹を見せくるくるしている、思う存分モフモフしてあげた

「ありがとぉな、本当にありがとう」


「シンシアもありがとう・・よく思いついたな」


シンシア

「私はいつも動物と話しているからね、チュウ吉の力も使えるなと思ってさ、えへへ」


俺なんか、ちゅう吉は虫採りしか能が無いと思ってたさ・・・


ベビーベットや紙おむつやら、沢山ポチってしまった


ベビーベットはこの世界でも簡単に再現できるが

紙おむつは再現が難しい 超吸収ポリマーなんチャラは一応は

樹脂などからできているのは分かったが理解する能力をもってしても

なかなか再現が難しい

それに紙はこの世界では高級品だおむつなどには使えない


トイレットペーパーでさえまだ無いのだ

まあ我が家にはあるが・・・・


使った紙おむつは、火魔法の練習で灰にした。 

まだ再現できない物はなるべく残さない様にね。


冷静になり、少し俺も反省して布おむつでの子育てとなった


そうなると洗濯が大変である

シンシアも洗濯機を所望する

それでまだ再現はできないが信念を折り曲げて洗濯機をポチった

洗濯機は消費電力も少ないので電力の増設はしなくて大丈夫だったのも導入の決め手だ、

そして飛躍的に洗濯能力が向上した。


太陽光発電までポチってるのに、何を、俺は躊躇していたのだろうか・・・

ただ、ポチった者は基本的にこの世界に再現しようと努力している

電気に関しては、太陽光発電は無理だが水路を利用した発電の実験は成功した

磁石さえあれば電気自体は簡単に起こせる


しかし蓄電というのに躓いている 蓄電に使われる金属は希少金属で

この世界では簡単に取れない 硫酸が作れればバッテリーが出来るが

硫酸を保存する器が難しい金属は腐食するし、プラスチックなどはない


陶器を使うという手もある、前世界でも陶器の電池はあった。後は鉛電池というのもある

蓄電はまだ難しくても電池なら近いうちに出来そうだ。


だから電気は、我が家だけの技術である。

俺が死んだときの影響力を減らす為には、やはり現地生産にこだわるのは大事だ

現状は、電気を作っても、垂れ流し、しかできない状態である。


それにガラスもまだ高価で、電球なども簡単にできない。

ノームのクリスに依頼しているが、熱電球を販売するには高くなりすぎる状態だ。

だが熱電球の開発には成功したということだ。

大きな進歩だろう。


ただ金属初め、島の素材だけでは足りない物が、まだまだある。 

島の中で、まだ探索していない火山も、資源の宝庫だろう。これも急がないといけないな


現状は、こんな感じだ


息子への能力付与も行った

子供が生まれたその晩に、夢にまた、あのおっさん神様が現れた

子供に名前を付けて、1週間以内に能力を決め無いといけない。


俺は俊太に発明の力を与えた 

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