第2話 転生者って実感わかないよね
あれ?
ここどこかな?
おっさんだれ?
「ふぉふぉふぉふぉ、転生者に選ばれし不幸なものよ」
なんだこのおっさん?
「まだ実感がわかないようじゃの」
何のことだ?
「お主は電車の中で死んだ不幸な男だ。恋人と過ごす幸せな時間も知らずにな。身寄りないお前が死んでもまあ何人かは悲しんでくれるが1年もすれば皆に忘れられてしまう存在・・そんな不幸な死人がお前じゃ」
電車の中で死んでって、あれは俺のことだったのか・・・・
「ふぉふぉふぉ、そうじゃよそうじゃよ」
ああじゃあもう朝起きなくてもいいんだ!
「ふぁふぁふぁ、うーんお主にはこれからも仕事がある・・・死ぬまでな」
なんだ・・・死んでも仕事はあるのか、全国の自殺を考えている人に教えてあげたいね。
「ふぁふぁふぁ自殺者は何もない空間に送られるだけじゃ。お主は自然死じゃからな違う。人生の不幸が大きかったので神の使徒としてこれから働いてもらう」
まあ・・社畜の俺だから、どこででも働きますよ。
「ふぁふぁふぁ、いい心がけじゃ、わしの目に狂いはなかったのぅ」
で、使徒ってなにするの? 天使みたいなの?
「ふぁふぁふぁ 天使というのは神の一種じゃ。お主ら人間がなれるものじゃない」
じゃあ何するの?
「ふぉふぉふぉ、お主には転生者として人間を守ってもらう役割だ」
なんか物語みたいなのだね。
「ひゃひゃひゃ、まさにのう、その世界は魔物も悪魔も出現する。それらから人間や善良な生き物を守るのがお前の役目じゃ」
でもおれの特技は農作業な素人童貞、なんでも安請け合いして苦労する男ですよ。
「ふぁふぁふぁ、その特技も役に立つ時があるじゃろう」
ふーん・・でも怖いのはやだなあ。
「それも、運命じゃ! すぐ慣れる。それにな転送に当たりお前には能力が与えられる。
まず年齢は今の30歳のまま生き続ける。つまり老衰で死ぬことはないということじゃ」
不死身ってこと?
「いや、殺されたり病気で死ぬ場合はある お主が赴任する場所の前任者は3000年生きたが、昨日魔王に殺された、まあ仕事に失敗した状態じゃな」
3000年か~長生きするね・・・・
「うむ、年寄りを転生者に選んだので、魔法使いとして転生先で活躍した。まあ赴任先は危険な所だが、前任者の遺産もあるじゃろう・・お主もその分楽になるな」
それは有難いね! で、言葉とかは通じるの? 一応英語と中国語はできるけど・・・
「必要はない、言葉は自然に理解するじゃろ。まあ聞いたことない名詞はあるじゃろうが勉強すればええ訳じゃ」
ふーん・・じゃあ文字は
「文字は最初は理解は難しいじゃろうが、まあ複数の言葉を理解しているお前なら習得は早いじゃろうな」
ああ大事なの! 性欲は?
「当然ある! お主は30歳の若い体で転生するからの。むしろ身体能力と比例して性欲も上がっておる!」
ええ!そうなのか・・・でも俺モテないしなあ・・・
「お主は転生先では非常に大きな存在である人類の守護者じゃからな。人間を愛することもできる。お主に愛される女性は伴侶として迎えられる。
お主に選ばれた伴侶は選ばれた時点から歳をとらなくなる、お主と同じ永遠の寿命を持つ存在にな。
そして一つの力が与えられる。その力は選ばれた伴侶が決められる。
ただしその条件は1人までじゃ、二人目以降の妻には能力は与えられない。
ただし選ばれた伴侶は、お主が死ねば消滅する。二人目以降の妻はお主が死んでも何も変わらない。
だから伴侶選びは慎重に行わないといけないのじゃ」
でも、俺モテないし伴侶なんて見つけられないよ。
「ふぁふぁふぁ、転生者はモテモテになる、それも転生者の特典の一つじゃ」
そうなの? なんか楽しみになってきた!
「ひっひっひっ、でもあまり遊びまくると女の嫉妬を浴びるからな。それによって命を落とした転生者も過去にはおるよって。それに子供は普通に年をとる。子供が年老いていく様を見るのは、ある意味不幸じゃ。まあ子孫を増やせば神扱いされるよって励むのもええ」
与えられる能力って何?
「ふぉふぉふぉ、まずは身体能力じゃ。30歳の体で人類最高に近い身体能力を持つ、これが転生者に与えられた絶対的な能力。
そして10の能力をお主に授ける、好きなものを言いなさい、最強の魔法か? 権力か? 金か? なんでもじゃ! 人間を守れるなら何でも叶えよう」
うーん・・なら元いた世界に繋がるパソコンが欲しい!
「ふぉー! 変わった希望じゃな。お主の住む屋敷の地下に、元の世界に繋がるパソコン部屋を作っておこう、パソコンも最高機能を備えておこうかのまずパソコンで1つ、次元転送で2つ」
これって最強じゃない? そう、そんな物語もあったよね。
「ふぁふぁふぁ、まあそうかもな、これからいく世界では200年ぶりの守護者交代じゃ、文明レベルはせいぜい鉄砲があるくらいじゃな」
ふぁ~? じゃあ、俺もう、それだけで神じゃん! チートじゃん!
「ふぉふぉふぉ、どんなにすごい知識も活用せねば生きぬからな」
じゃあ次はそのパソコンから買い物もしたい、なんでも無限大に買える機能がほしい!
「ふぁふぁふぁ、欲張りじゃの、まず買い物で一つ、無限に買える機能で2つ、買ったものを召喚する機能で3つ、全部合わせて5つじゃ」
結構使ったね、でもこれで無敵なような気もする。
「まあ現代の知識だけでは対応できない悪魔とかもいるからのぅ、そういったものも対処したほうがええと思うがの」
ちなみに前任のお爺ちゃんてどんな能力をもらったの?
「ふぁふぁふぁ、前任者グラス・クロムウェルは火魔法、水魔法、土魔法、光魔法、闇魔法、風魔法の6大魔法をすべて覚えた状態じゃ! さらに最高の剣・最高の兜・最高の鎧。すべての魔法をはじくマントを希望した。それでも死んだがのぅ・・・」
え~それでもしんじゃうんだ・・・・でも魔法は現地でも覚えられるんでしょ?
「可能じゃ、転生者はすべての属性の魔法が覚えられる。まあ時間はかかるがのぅ、転生者は時間もあるから問題はないかもしれん、しかし未熟なうちに強き悪魔や魔物に襲われる可能性もある」
じゃあ絶対安全な空間が欲しいな。
「なるほど考えたのぅー お主の住居は悪魔 魔物は入れないようにする。しかし、人間は入れるから人間に殺されないようにのぅ」
大事なこと忘れてたよ! パソコンに電気を供給してほしい。
「ふぁふぁふぁ、たしかにのう、電気がなければパソコンはただの置物じゃな」
向こうの世界の生き物は元の世界と違うのかい?
「似たような物もあれば違う物もある」
では初めて見る物を解析する力がほしい。
「ふむふむ、大事な力じゃ毒物とかもあるからのぅ」
やっぱり識字は必要だな・・・字を覚えておきたい。
「うむうむいい判断じゃ」
そしてなんでもすぐに理解する能力がほしい。
「ほぅー! これは期待できるかもしれないのぅ・・・」
これで10個かな?
「うむ、では転送を開始する・・・お主は丘の上の魔法使いの2代目として転送される。まずはその島の人々を助けるんじゃな、では始めるぞ」
世界が明るくなる。
一つの屋敷の中にいた。書物がたくさんあって魔法関係・薬草関係・料理の本なんかもある。
生活の跡があるが人はいない。誰も住んでいないのだ。
まずは地下室だったかな、あった! あった! パソコンだ! ネットも繋がっている! この地下室だけ電気が来ている。しかし、パソコンの電気だけというのは暗いな。今度、発電装置も作らないとな・・・・
まずは情報収集だ、ここの本を片っ端から読み込もう。
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