第5章:流転の天秤座
第1話 流転の天秤座 part【1】
そこは
「良い日だ…こういう時の
声の主である男は両手を大きく広げて気持ちよさそうに背伸びする。真紅のコートが太陽の光に反射して
「空気も……まぁそれなりだ。こんな土地なら動物もよく育つのだろう」
深く息を吸っては吐き、身体から
「どうしたグレイ!? 元気ないぞ!」
「———納得いかない」
「
「おいレッドラム。俺はマナロを助ける為にエンヴィアを殺す事を決めた…」
「そうだなっ! そこでっ、
現在、グレイとラムが居るのはライブラの館と呼ばれる
「けど、中に入れなかったじゃねぇか!」
しかし、ドアは開かなかった。真ん中に
「どうすんだっ! 最初っからアテが外れてるじゃねぇか!!」
レッドラムはグレイの叫びに嬉しそうな笑い声をあげる。不思議に思ったグレイは不服の視線を送る。
「何で笑う…?」
「何でって、君が元気を取り戻したからに決まっている。昨日の夕方まではこの世全てに
それは
「私も驚いているっ! ふっ! 奴は
グレイは後ろを振り返り、ライブラの
「我々は確かに
「ラム、その
「全く…君は私が意味も無くこんなふざけた形を踊っていると思ったのかい?」
「いきなり、
「グレイ…僕の言葉を忘れたのかい?
「でも、適当なんだろう?」
「ここは奴の土地だ。気づいているかい? …牧場含めて全てが
その言葉を聞いたグレイは、
「怖いくらいだろう? 奴は
腰を落として両手を前に突き出す構えをしたレッドラム目掛けて前方の
「ライブラ! 遅いじゃないか!」
すると、森の奥から一人の人間が歩いてくる。日の光が届く
彼、彼女と言うべきか、
レッドラムがピンピンしているのを確認したライブラは
「
「ごめんよ。君を見つけるにはコレが手っ取り早くて」
男性の低い声と女性の高い声が被さって聞こえる不思議な
「
グレイ達に背中を見せてドアに向かったライブラは、両手で
「ようこそ、
その瞬間、グレイの目の前の画面に、あのメッセージとアナウンスが流れる。
「これより、ストーリークエスト『黒の
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