10‐フタバ

「じゃあ、また来るね!」


「うん、僕は暇だから、勉強ならいくらでも付き合うよ」


 バタン、と扉が閉まる。

 カユウが行ってしまった。少し寂しい。受験の終わった僕は、やることもないのでベッドに倒れ込む。そして、今日あったことを少し思い返す。


 カユウにハグされた。


 ぎゅーってされた。


 女の子って、華奢な感じで温かいんだって知った。


 その事を思い出すと、心臓が少しうるさくなる。


 あれ、もしかして、僕……


 とか考え始めるようになってしまった。

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