3-ソヨ
BFFだって。カユウは面白いことを言う。
BFFとは、『Best Friend Forever』の略らしい。訳すなら、『ずっと親友』とかだろうか。
そうでありたい。私がどんな人生を歩んでも、カユウがどんな人生を歩んでも、ずっと友達でありたい。そんなことを考えるのは気恥しいが、事実だ。
彼女が帰ってからは、珍しく音楽を聴くでもなく図鑑を眺めるでもなく、何もせずにすごした。
カユウの耳が治るといい。
ひたすらにその事を考える。ただ、そうしたら彼女には友達がたくさんできることだろう。引きこもりで人見知りを自称している彼女だが、ワタシと初めてあった時のことを思い出すと友達を作る才能があるのだろうと感じる。顔も可愛いし、彼氏なんかもできるのかもしれない。
本当に、ワタシに会いに来てくれるのかな。
不安になったって仕方ないじゃない。唯一の友達、相手からしてもワタシが唯一だったのがそうじゃなくなるかもしれない。いつだったか、“この耳の悩みを共感できる人ができて嬉しい”と話していた。その耳の悩みすら、彼女からはなくなってしまうのだ。
いい事だ。そのはず。いい事のはず。
BFFと親指を立ててくれても、こんなことを考えるワタシは悪い子だ。だから、流れ星を見つけてはこんなことを願う。
カユウとずっと友達でいられますように。
なんて。彼女の耳のことを願う方がいいと思うのに、心の中ではそんなことを考えるのだ。
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