#7 せんせんふこく

「へぇ~、ここがライブ会場かぁ~」


「いい?私は暫定パークガイドだから、どんな所にも顔パスで行けるんだよ。という事で、PPPの楽屋前にやって来ました!今からこの扉を開けたいと思います!」


「...なんか、オチ読めたんですけど...」


「では、突入したいと思います!」


かばんが勢いよく扉を開けると


「はい、プリンセスさんが生きg」


「キャァーーーーーーーッ!!!!」


「待ってろプリンセス!!」


声を上げたのはコウテイペンギンだった。

足元にはサッカーボール。右足を上げて


「皇帝ペンギン・イン・ザ・スカイ!!」


思いっ切り蹴り飛ばした。


「何これ!!今度は逆転○判の次はイナ○マイレブンかよぉおお!!」


「...くっ!止めて見せる!フェンスオブガイ」


ドシュッ!!


「アアッーーーーーーー!!」


「主人公が吹っ飛ばされたッ!!!

何なんですかこれ本当に!?

けもフレですか!?完全に超次元アニメですよねぇ!!」



茶番はここまで…。


「何事ですか?」


黒縁メガネの猫っぽいフレンズが出てきた。

キュルルは変な既視感があった。


「あれ?あなた...、ゲイマー山下さんじゃ?」


「だ、誰ですか?」


「いや、ちょっと動揺してましたよね?」


「いえいえ、そんな事ないですよ!

ところでなんのご用事ですか?」


「実は、ロバのパン屋をぶっ潰そと思って。

噂を聞くに、このサッカー選手達は英雄なんですよね」


かばんが割り込んで尋ねた。


「な、またまたご冗談を。サッカーチームじゃないですよ、アイドルですよ。それに、英雄って言うのは創作の話で...」


「態々そういう話聞いてこっちは来てやったんですよ?この前のビデオ返してもらいましょか?あんたが自称アイドル使って荒稼ぎしてるのも...」


「かばんさーん...、墓穴掘ってますよー...」


「や、やだなあそんな冗談言うなんて...。

け、け、けど、話はわ、わかりました!」


「とりあえず、面会したいので。準備してください」


「は、はは、はい!!」


*****


「パン屋潰し?で、ギャラは?」


パイプ椅子に座り腕を組みそう語ってきたのはイワトビペンギンであった。


「かばんさん、やめましょうよ。絶対こういうタイプは役に立たないでしょ」


「キュルル君、君はまだ気付かないの?」


「は?」


「こういう人物こそ、最後に力を発揮するんだ」


彼女が自信満々に言うので、呆れた目を向けた。


「何の根拠があるんですか...」


「よし、大丈夫そうだね!行くよ、本拠地に」


「話早っ...」


*****


「なんでこんな怖いところに連れてこられたの...」


「ビビっちゃダメよ、ジェーン...」


「クソパン屋をぶっ壊すぜ!」


「早く行こうよ」


「...ハァ」


かばんは望遠鏡を使い、5人の姿を確認していた。


「何でこんな離れてあのPPP達に行かせるんですか?」


「だってヒーローだよ?私達が出る幕ないって」


(絶対作者が手抜きしてるだけだろ...)




「よし、行くぞ...」


コウテイ達が腹を括り一歩踏み出した時だった。


「待ちなさい」



「何だぁ!?」


唐突に巻き起こる砂嵐と共に何者かが姿を表した。


「必勝...、殺音剣ころねけん!」


ニタッと笑うと剣を振った。


「はぐっ!?」


全てのパンが彼女達の口の中に入る。


「!!かばんさん!!ヤバイですよ!何か、パンを食わされてますよ!」


「何だって?」


「あれは...、チョココロネだ!!」


「...!?あのパンを食べたら!!」


そう思った時には既に遅かった。


「ああっ!!!ペンギン達が赤ちゃんになってますよ!!」


砂浜からは泣き声が聞こえる。


「ロバ社長のステキな赤ん坊計画を止められる訳にはいかないのねっ...」



「クソっ...作戦失敗だよ...。どうすれば!」


「どうすればって...」


すると突然。


「お前らこんな所で何してるんだ?」


「ここは関係者以外立ち入り禁止ですよ」


背後からの声に気付く。


「し、しまった!!」


「ハムハムがいいかぁ...?」

「徹底洗浄...、どちらがお好きで?」



「くっ...!パークガイド権限で緊急事態信号を!!」








「ジャイアントパンダ様、起きてください!

国家の緊急じt…グハァ!」


無理に起こした為に腹パンが飛んでくる。


「うるさい...」


下腹部を押さえながら説明した。


「ハァ....、ハァ....、こっ、この島でぇ、

なんか全員...、赤ん坊にする計画があるみたいで...、い、いずれ我が国にも...、危害が...」


「...わかった」


一方その頃。


「何っ?それは本当ねんな」


「せや!勝手に人を幼稚退行させとるんやで」


「あのパン屋は環境権の侵害だと思ってたんだよ」


「流石です。さっそく行きましょう。先生」


「待て、この赤ん坊にするのが違法って六法全書の何処の何項に書いてある!?」




「お見事です。3人とも

さぞ、社長もお喜びでしょう」


「お褒め司り光栄なのね」

「給料上げてくれよな」

「お願いします...。

ホットドックの材料だけは...」


「給料は無理ですがその他のお願いであれば私から進言しましょう。ペンギンの赤ん坊のお世話は私がしますから、引き続き警備と侵入者の監視お願いしますわね」


「了解なのね、リョコウ副社長...」




囚われてしまったかばんとキュルル。

果たして、無事生還することはできるのか!?



←To be continued…





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