#5 しんりんさいばん

「違うっ...!!!違うんだ!俺はやってない!!」


裁判長のゴリラは木槌で机を叩いた。


「静粛に...」


咳払いをし検察のメガネカイマンが紙を読み上げた。


「えー、調書によれば紛らわしいツイートをし、炎上した挙げ句アフェリエイトの餌にされてしまったと...。フォロワーに心配と迷惑を掛けた罪...らしいですね」


「違うんだ!!全部悪いのは国語の読解力が[自主規制]な[自主規制]達が囃し立てたからだ!

俺のツイートを良く見れば趣旨がわかるはずだ!弁護人っ!」


クロヒョウが溜め息をして立った。


「ほんで自虐ネタに走ったわけですか?

あんたにTwitterやる資格ないで。あんたは

時代の敗北者や」


「お前弁護人だろ!?てか、何だよ敗北者って...!!取り消せよ!今の言葉!」


「静粛に!検察、被告はどうするつもりだ?」


「そりゃあ勿論死刑ですね。このまま呑気に生きようだなんて、言語道断です」


「おい!何とかしてくれよ!頼むよ弁護士先生!俺は心から反省してるからさ...」


「意図的に攻撃する内容を含まないとしても、

二次創作家としての品性を疑う事になってしもうてますんでね。弁明の余地がないです」


「そ...、そんな...」


「養老孟司や教科書に乗ってるジャーナリストの批評文を熟読せず浅い知識で真似して書こうとしたからこうなるんですよ、因果応報です」


「...」


「異論はないな...、じゃあ判決は」


「異議ありっ!悪気は無かったんです!

確かに根本的に言えば2期批判勢を遠回しに

風刺しようとして調子に乗った過失もありますが、本当に悪意の解釈をされるとは思わなかったんです...!」


「御託はいい。物書きとして顔を洗ってもう一度出直してこい!被告人は死刑!」


ガンガンッ!


「な゛ん゛でだよ゛お゛お゛お゛お゛っ!!」


「藤原竜也風に言ってもダメです。死ね」


「クソッ!このキ[自主規制]!ファ[自主規制][自主規制][自主規制]えええええっ!!!」


被告人はメガネカイマンに取り押さえられ法廷を引きずり出された。


「カイマンさん、即刻コイツを処刑してください」


「はいよ...」




「はぁ...、次の裁判は...」


「ねーちゃんの案件です。例のプリウスの」


「はいはい...

(二本立て続けの裁判はキツいぜ...。

胃が凭れる...)」






アードウルフとキュルル、サーバルとカラカルはある人物の元を訪ねていた。


「何や。うちに弁護を?」


「はい!ヒョウ先生の評判はネットで聞いておりますので」


アードウルフが言った。


「そやか...、弁護自体はええで。

またあのイリエの野郎とバトれるからな。

ただし、無罪を勝ち取る事が全てやないんや。

それだけは腹括っときなはれ」


「...はい」


僕は固唾を飲み込んだ。


「ところで何や?その赤ん坊」


「あっ...(てっきりこの物語の趣旨を忘れる所だった...)」


「ちょっと、かくかくしかじかで...」


苦笑いしたアードが言った。


「ほお...、そういや、自分のなわばりに勝手に工場建てられたから裁判で取り返して欲しいっちゅー依頼来てたわ」


「本当ですか?」


「マジやで。ところでかわええな。アメちゃんいるか?」


「アメ?喉に詰まらせませんか?」


「大丈夫やて、パインアメやから」


「いや、飴の種類関係ないと思うんですけど...」


勝手にカラカルの口に飴をいれた。


「ゲホッゲホッ!」


「おい何してんだよ!?」


慌ててキュルルがカラカルの口の中に手を入れ吐き出させようとする。


「ちゃ、ちゃうで!これは正当防衛や!」


「何処がだよ!!!」



ーーーーーーーーーー


X月X日 午前10時 森林裁判所


法廷


サイバンチョウ

「ただいまより、裁判を執り行う」


大きな大木を中心に、裁判長であるゴリラが真ん中に座り、左にヒョウたち、右にワニたちが座る。


裁判長と対になる台にはかばんがいた。


キュルル

「アレ、なんか変わってない?」


アード

「多分某ゲームのパロディのつもりでしょうね...」


僕たちは傍聴席に座って裁判を見守る事にした。


サイバンチョウ(ゴリラ)

「ただいまより、本法廷を開廷します」


バンッ、と木槌を叩いた。

検事のイリエワニが立ち上がり、言葉を発した。


イリエワニ

「まず被告人。名前と職業を」


カバン

「かばんです。研究者をしてます」


イリエワニ

「えー、では被告人。被告人は先日イエイヌ宅にプリウスを突っ込ませ、適応な事故処理を行わずに立ち去った。間違いないですね」


カバン

「.....いいえ。私はやってません」


サイバンチョウ

「...なんですと!?」


イリエワニ

「ほう、ならそうおっしゃる理由を聞かせてもらえますか?」


ヒョウ

「もちろんです!彼女は勿論無罪!

嘘をついているのはあの犬っころですわ

ほな、彼女が犯人だという理由、聞かせて貰いましょか。裁判長、イエイヌはんを呼んでください」


サイバンチョウ

「...は、はあ...」


数分後

///証言開始///


唐突に呼ばれたので困った顔を浮かべていたが

渋々といった様子で話し始めた。


イエイヌ

「あの日、彼女は私に紅茶を届けに行くと連絡を貰ったので家で待ってたんですよ。

そしたらいきなりドカンと、車が私の家に突っ込んで来たんです。最初は煙でよく見えませんでしたが、間違いなくかばんさんのプリウスでしたよ」


_人人人人人人人_

> 待った‼️ <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄


ヒョウ

「つまり、被害者はんは車の運転手の姿を見てないっちゅーことやねんな?」


イエイヌ

「えっと...、だから、すぐに逃げたんですよ!」


イリエワニ

「そもそもこの島で車を使える者は被告人以外見当がつきません。これはもう、彼女が犯人で間違いないですよ」


_人人人人人人人_

> 異議あり‼️ <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄


ヒョウ

「あれれぇー?おかしいですね、イリエはん。

調書、お読みになってないですか?」


イリエワニ

「なに...?」


ヒョウ

「被告人、数ヵ月前にカンセイエリアにて旅行中のタイリクオオカミさんにプリウスで突っ込み全治3ヶ月の大怪我を負わせるという事故を起こし、免許停止喰らったんですわ」


アード

(またあの人巻き込まれてる...)


キュルル

「どんな事故起てんだよアイツ...!!!」


ヒョウ

「その時の車はカンセイ署が押収してます。

ウチが言いたい事は...、免停食らって車もない人間が事故を起こせると思うんか?」


イエイヌ

「...!!」


イリエワニ

「……」


ヒョウ

「どないしたん?検事さーん?

ぐうの音も出えへんか?調書もロクに読まずに食べちまったんやろ?」


イリエワニ

「....はっはははっは!」


サイバンチョウ

「...!?」


ヒョウ

「なにわろてんねん」


_人人人人人人人_

> 待った‼️ <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄


イリエワニ

「イエイヌさん以外にも重要な証人を呼んでます」


ヒョウ

「なん...やと...!?」


アード

「!!あ、あの方は!!」


カバン

「あっ....」


イリエワニ

「証人、まずは名前と職業を」


???

「私はかばんの助手の博士です。名前もハカセです」


カバン

「何故ここに...!」


ハカセ

「それは勿論...、裁判するためですよ」


ざわ...

ざわ...


サイバンチョウ

「静粛に!証人は証言を願います」


///証言開始///


ハカセ

「実は車は2台あるんですよ。彼女のと、我々の。かばんは1台、自分のを車で事故を起こしたあと確かに没収されましたが、もう1台車があったのです。そう、彼女は我々の車を用い無免許でイエイヌの家にダイナミック訪問した訳なのです!」


ヒョウ

「(なんやて...、もう1台車が?

クソ、何処かに矛盾はあらへんか...?)」


サイバンチョウ

「弁護人、何か反論は?」


アード

「ま、まずいですよ!ヒョウさんの顔が強ばってますよ」


キュルル

「(もう有罪でもいいんじゃないかな...)」


_人人人人人人人_

> 異議あり‼️ <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄


ヒョウ

「ならばこちらも、証人を呼びましょか。

キュルル!あんたや!」


キュルル

「はあ!?」


ヒョウ

「はよ来て!頼むわ!」


キュルル

「僕にどう証言しろって言うんだよ...」


ヒョウ

「それは自分で考えて!」


キュルル

「んなっ...!(なんだよ最初はカッコいいと思ったけど無能じゃねえか...!)」


イリエワニ

「暇じゃないので早く証言してください」


キュルル

「はい...、あ、えっと...。

車が2台あると言ってましたけど博士さんは見るからに鳥ですよね?鳥が自動車を運転していい何て法律がこの島にあるんでしょうか?

ていうか、鳥が運転する意味あるんですか?」


そう発言した瞬間、一同愕然とした。


サイバンチョウ

「.....待てよ?そもそもこの島って法律あったか?」


イリエワニ

「......」


ヒョウ

「......」


ハカセ

「......」


イエイヌ

「......」


カバン

「......」


アード

「なんですかこの空気!?

これ触れちゃいけない話題ですよね!?」


その時だった!!


茂みから、何者かが飛び出してきたのだ。


カバン

「あれは...!いつぞやのビースト!!」


ヒョウ

「何やねん急な展開!?」


アムールトラ

「グルルルル...」


随分と殺気立っている。


_人人人人人人人_

> 待った‼️ <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄


アード

「すみません、そこのあなた!

何かお困りですか?」


アムールトラ

「ググググ....グルウッ...!!」


キュルル

「あ、危ないですよ!アードさん!」


アード

「え?朝食にヨーグルト食べたらお腹が痛くなったのでトイレに行きたい?」


アムールトラ

「グゥ...」


アード

「ああ、それなら私が案内しますよ」


アムールトラ

「グルルッ...」



キュルル・ヒョウ

「「なんでやねん!!!」」


サイバンチョウ

「えー...、被告人に判決を言い渡す。

何か良くわかってなかったので無罪!!」


_人人人人人人人_

> 無 罪 <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄


終わり!閉廷!以上!解散!

平和が一番!ラブ&ピース!!


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