#2 だぶるぱんだ

なんとかしてモノレールの駅にたどり着いた4人はパークの人に聞き、ゴールデンセルリアンの情報を得ようと考え、聞き込みに回ることにしたのです。


「なんか大部本編よりはしょられてる気が…」


「キュルル、気にしたら負けだよ」


すると駅を目前にした2人の前にセルリアンが現れたのです。


「うわあっ!何で急に本編がっ!

カルガモいないしっ!!!」


「とにかく、モノレールに乗ろう!」


2人は、駅舎に急ぎました。


「うぁぁあああん...」


「黙っててカラカル!」


キュルルは改札を飛び越えました。


「かばんさん!早くしてください!」


「子供の手前、キセル乗車なんて出来ないよ。

ちゃんとSuicaをタッチして乗らないと...」


ピンポーン

『残高不足です。チャージしてください』


「ごめん、ちょっとチャージしてくるね」


「してる場合かっ!!!!」


「ああ、定期券があったんだ...」


「最初から使え!!」


間一髪のところで、モノレールに乗ることが出来た。


「あ、危なかった...」


「そうかな、後ろからなんか来てるよ?」


「えええっ!?」


確かに、紫色のセルリアンが迫ってきている。


「やべえよやべえよ...、どうするんですか!」


するとかばんは...


「この赤子が目に入らぬか!!」


「うぇええええんっ...」


「サーバルを印籠見たく扱うな!!

状況わかってるんですか!?」


すると、突然黒い影が目の前に飛び出して来ました。


「...!あれは...!」


その影は一瞬でセルリアンを粉砕したのです。


「あれって...」


「あれは...、伝説の...」


「伝説の?」


「...野獣先p」


「てめえふざけんなよ!何例のアレネタ入れ込んでるだよ!!!」


上着の襟元を持ち揺さぶった。


「ちょっとキュルルは私よりも歳上だからってどう見ても歳上の見た目してる私に対するこの行為は自分の評価を落とす行為になりかねないと思うんだけど」


「るせーよっ!!こちとら最初っから評価下がってんじゃ!!!」


「や、でも、本当にビーストって言うんだよ。

常夏のおっさんと大差ないと思うよ」


「そういう問題じゃないですから!」


『次は、アヅアエン...』


その時だった。

拳銃を持ち、ヘルメットを被った人物が

モノレールに乗り込んできた。


「おい、お前達。パスポートは持ってるか?」


「うわあああああっ!!!どっから入ってきたんだ!?トレインジャックだ!!!かばんさん助けてくださいっ!!!!」


「落ち着いてキュルル」


そう言うと立ち上がった。


(こういう時は流石に大人な対応を...)


「私の運転免許証です」


「パスポートじゃないんかいっ!!」


「なんだ?減点されまくってるじゃないか」


「いやあ...、この前プリウス運転してたら

アクセルとブレーキ踏み間違えて、犬の家に突っ込んでしまって」


「思いっきり事故ってるし!!!

なんなの!?」


「ッチ...、なんだそのちっこいのは」


「あ?えっ?カラカルとサーバルです」


キュルルは恐る恐る答えた。


「...お前達、ここが亜津阿人民共和国の領域と知ってここに来たのか」


「な、なんですか、それ...」


「我々はパークから独立し、国家を設立したのだ。偉大なるジャイアントパンダ国家主席の元、共産主義の国を建国した!」


「はあ!?」


「お前達をスパイの罪で拘束する!

そこのチビは、ジャイアントパンダ様に献上する!」



なんと、2人は頭のおかしい国にスパイ容疑で当局に拘束されてしまったのだった。






駅で下ろされた2人。

そこで目にしたのは、ジャイアントパンダと思わしき銅像が並木道のように左右に配置されている光景だった。


「マジもんの独裁国家じゃん...」


キュルルが声を潜めて言った。


「そういう発言したら粛清されちゃうから、

しない方がいいよ」


「あなたはなんでそんなどうでもいい事しか知らないんですか...」



「お前たち、着いたぞ」


その声で前を見ると一人のフレンズが横になって寝ていた。


ここまで誘導してきたフレンズがヘルメットを取り敬礼した。


「敬愛するジャイアントパンダ様。

このレッサーパンダ、我が国を侵略する不届き者達を拿捕致しました」


「...何でそんな小声なんですか?」


キュルルが尋ねた。


「黙れ!」


急に銃を向けられ、息を飲んだ。


「この者達を処刑しますね。

国家転覆罪で、よろしいですね?

わかりました。それでは執行に...」


「うぅっ...、うえぇぇぇぇ...」


「あっ、カラカル!?」


丁度その時、カラカルが泣き始めたのです。


「なっ、やめろ!!今すぐ黙らせないと...」


「....うるせえよっ!!!」


急に、寝ていたジャイアントパンダが起き上がり、レッサーパンダをグーパンチで殴ったのです。


「ぐへぇっ!」


「お前かっ!極刑に処す!」


「違っ、いっまっ、すよっ...!」



「パンダがこてんぱんだ...、草」


かばんはゲラゲラ笑いました。


「笑ってる場合か!!草生やすな!!」


「ん...、誰です?あの人達は」


「えと...、パスポート無しでこの国に入ろうとした屑野郎共です...」


鼻血を垂らしながらレッサーパンダは言った。


「私はかばんです。こっちが突っ込みのキュルルです」


「突っ込み役やりたい訳じゃないですから...」


「....背中にいるのは何ですか?」


「えっと、サーバルとカラカルです。

訳あって赤ん坊の姿になってますけど...」


キュルルはそう説明した。


「ジャイアントパンダ様...、処刑しますよね?...って」


「かわいいじゃないですかぁ...」


サーバルとカラカルを抱き嬉しそうにしている。


「嘘だろっ!?」


レッサーパンダは目を疑った。


「やっぱり母性本能を刺激されたんだね」


かばんが言った。


「ま、まあとにかくこれで僕達の処刑は免れ...」


「飽ーきた」


乱雑に2人を置くとまた寝そべってしまった。


「嘘だろっ!?」


キュルルが声を上げた。


『ジャイアントパンダハ、育児放棄シテシマウ事モ多インダ。自分ノ子供ガイルコトニ気ガ付カズ、母親ノ下敷キニナッテ子供ガ窒息シテシマウ事モアルヨ』


「何か久しぶりにラッキービーストの声聞いたなぁ~」


「感心してる場合じゃないですよ!

こ、殺されちゃいますよ!かばんさんっ!」


「ははっ、残念だったな!

ここがお前達の人生の終点のようだなぁ!」


「くっ...、どうすれば...」


その時だった。


「うえええええっ!!」

「うあっ...ええええぇぇっ...」


2人が同時に泣き出したのです。


「うっせえっつてんだろボケがっ!!!」


「ぐはぁっ...!」


またレッサーパンダが殴られた。


「ジャイアントぉ...、パンダ...、

さまぁっ...、腹パンはやめて...っ...」



「パンダに腹パンだ...、草」


「だから草生やしてる場合じゃないでしょお!!」



「あれ...、何か来る」


茂みから出てきたのはセルリアンだった。


「あーまずい。大変だ。逃げないと」


「何だよその緊張感のなさ!」


『コンナ状況デモ、ツッコミヲ欠カサナイ、

エンターテイナーノ鑑ダネ』


「お前も言うんかい!」


「だ、大丈夫です。こんな事もあろうかと国防に関しては予算をたっぷり用意してある設備を導入しました」


懐からスイッチを取り出すと押した。

竹藪の中から発射砲が付いた装甲車の様な機械が現れた。


「セルリアン迎撃ミサイル...。

略してSEC3です!」


「おいーっ!!!!!ダメだろおっ!?

けもフレでこんなネタ使っちゃダメだろ!!」


「なに騒いでるの?キュルルは男子中学生か何か?なにも変なところは無いでしょ。

セルリアン迎撃ミサイルセックスリーだよ。

変じゃないよ」


「この人上手く丸め込んで来やがったよ...」


「さっさとやっつけて下さい」


「はっ!では、ポチッとな」


レッサーパンダがスイッチを押し、

ミサイルが放たれた。


ドカーンと命中した。


「す...すっごーい...」


キュルルは言葉がでなかった。


「レッサーパンダ、この人達返して良いよ」


「えっ、何故ですか?」


「めんどくさいからさぁ...。

ゆっくり寝させて...」


結局、キュルル達は解放される事になった。


駅までレッサーパンダが付いてきた。


「いいな。今度パスポート無しで入国したら

処刑するからな」


「...こんなところ来ないよ」


キュルルはうんざりした様子で言った。


そして4人は次のエリアへと向かって行った。







「良いですか?お願いしますよ、弁護士さん」


「ええ!ダブルスフィア法律事務所にお任せください。あなたの唯一無二の家をぶっ壊して起きながら賠償もせず逃げるような屑人間は法廷で裁きを受けるべきです」


「相手の個人情報開示して300万円請求してやりますよっ!アハハ!」


「行こう、オルマー」


「あいあいさー!」




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