けものふれんじゅ2

みずかん

#1 みらいのかなた

第1話の中盤辺り、目覚めたキュルルはカラカルとサーバルに出会う。空腹だった

キュルルはサーバルに導かれロバのパン屋さんに向かうのだった!


(てか何なのかな...、この超適当な導入。

やな予感しかしないよ...。

あ、僕キュルルです。よろしく)


「サーバルさん、カラカルさん!

今日は特別メニューがあるんです」


ロバがニコニコしながら言った。


「その名もゴールデンじゃぱりまん!

金箔100パーセント使用したじゃぱりまんです」


「すっごーい!」


「うわあっ、美味しそう!」


「何で2人共食いついてんの!?」


ロバからそのじゃぱりまんを受け取って口にした2人。


「グッ...」


「うっ...」


「ど、どうしたの!?2人共!顔色悪いよ!?」


「フフフ...、バカな奴らね」


いきなりロバが不敵な笑みを浮かべ始めたのです!


「キャラも豹変し過ぎでしょ!って、

2人に何したんですか!」


すると...。


「うわああああん!!」


「うえええええぇぇぇん!!」


なんとサーバルとカラカルが赤ん坊になってしまったのです!


「えええええっ!?!?」


「あのゴールデンじゃぱりまんは食べると体を赤ん坊にしてしまう悪魔のじゃぱりまん...。私はこれで全てのフレンズや人間共を幼児化して世界を支配するの!」


「何ですかその野望!!あなたそういうキャラじゃなかったでしょう!!!」


「その為にこのロバのパン屋改め、

ロバパンコーポレーションはこのパークに大型工場を建設する!更にパンを量産して

白いお皿が貰える春のパン祭りも開催する!私を止められる者は誰もいないわ!」


「ヤ⚫ザキ春のパン祭りっ!!!!!

てか普通に経済活動!!!!!

突っ込みが追いつかないっ!!!!!」


「そうそう...、2人を元に戻したくば、

ゴールデンセルリアンを見つけて食べさせる事ね。まあ、何処にいるかは知らないけど」


「し、親切!!」


「それじゃあ!失礼するわ!」


ロバは姿を消してしまった。


「うわぁぁぁぁん...」


「うえぇぇぇぇん...」


「ああ、どうしよう...。

サーバルもカラカルも赤ちゃんになるなんて...。家探しとかそれ所じゃないよ...」


ボカンッ!!

突如として爆発音がしました。


「今度は何ですか...!?」


「ゲホッ...ゲホッ...、ここは?」


煙の中から現れたのは、黒いジャケット、

赤いシャツ、緑の髪、2色の羽、白い鞄を背負った人物でした。


「だ、誰ですか!?」


「た、たうえないでください!」


「...あ、あの...、いや...

ぼ、僕はけものじゃないんで...」


苦笑いしながら言った。


「あ、あれ...、ヒトですか?」


「ヒトですとは断定しにくいですけど、

たぶんヒトだと思います...」


「ふああ...、おったまげ...。

えーっと...、僕はかばん。

今から1ヶ月後くらい未来から来たんだ。

ここは過去なんだね」


(じょ、状況理解すんの早過ぎ!

読者でさえ8割も内容理解出来てないよ!)


「僕はキュルルです...」


「キュルルちゃん...」


かばんはじっとキュルルを見た。


「どうしました?」


「...一人称被っててどっち喋ってんのかわからないから変えてくれないかな?」


「そんな事かい!!!!!

今はどうでもいいでしょう!!!」


「じゃあ、私って言いますよ...。

後輩なら、譲ってくれても...」


「ていうか今期の設定がそーでしょーが!

それより、ああもう、サーバル達が...」


「サーバル...?サーバル?」


「変なパン屋の呪いで赤ん坊になっちゃったんですよ!」


かばんに赤ん坊になったサーバルとカラカルを見せた。


「ゴールデンセルリアンとか言うのに食べされば元に戻るらしいんですけど…」


「じゃあ、キュルルちゃん。

一緒にサーバルちゃん達を元に戻しに行こう」


背負っていた鞄を前にし、代わりにサーバルをおぶった。


「えっ...」


「このパークの事はだいたい知ってるから!」


微笑みながら言った。


「わ、わからないけど、わかりました」


キュルルはカラカルを背負った。


「2人を元に戻しに行こう!」


こうして赤ん坊になってしまった2人を戻す為の冒険が始まったのです。


(ていうか、赤ん坊を背負って2人で冒険って...、どこかの配管工がやってた気が...

まあいいか...。突っ込んでたらキリがない...)


「ところでかばんさんは、赤ちゃんの世話の仕方とか知ってますか?

さっきっから、泣き止まないんですけど...」


「えー...、普通に揺さぶるとか...」


「偶にやってますけど、効果無さそうですよ...?」


「テレビでも見つけてケムリクサを視聴させるか...、あっでも、つまらないかも」


「媚び売りたいんですか!?敵に回したいんですか!?あなたの生みの親のアニメですよね!?ってこんな事言わせないでくださいよ!全く...」


「うえええええぇぇぇん!!」


「おええええええん!」


一向に2人は泣き止みません。

キュルルも理不尽なツッコミに振り回さ

れ困り果てていました。


「あなた達!ストーップ!!」


笛を鳴らしてキュルルとかばんの中に現れたのは...


「あなたはカルガモさん!」


「かばんさん...、知ってるんですか?」


「これでもパークガイドの資格あるから!その他にも運転免許証とか...」


「そんな証明書一々見せなくて良いですから...」


「私の事を知ってるとは...。

感心しました。あなた達は見た所赤ちゃんを背負っている。ならば、子育てパーフェクトマスターの私が案内しましょう!」


「(やっとまともそうな人だ...)

助かります!」


胸を撫で下ろした。


「見た感じ保育士っぽいし丁度良かったです!」


「かばんさん、心の声...」


「とりあえずどちらか、お子さんを」


「お子さん...?」


あながち間違いではないが、アイツらが

勝手に子供になったので僕らは関係ない。

カラカルを渡した。


「高い高い~!」


「あぅぅぅうう...」


唸り始めたが、泣くのはやめた。

しばらくカルガモがあやす。


「あははははっ!!」


「うわっ、すごい。泣き止んだ...」


「その子も貸してください」


サーバルも同様にあやし、泣き止ませた。


「わあ、ありがとうございます!」


「助かりました。それじゃあ僕達はここで...」


「あっ、待ってくださいよ」


「えっ?」


そのまま素通りしようと思った途端呼び止められる。


「何か足りませんよね?」


「うーん...」


「な、何ですか?」


「お金です。泣き止ませたんだから報酬をください」


「えーっ...。あっ、そうだ」


かばんは自分の鞄の中からある物を取り出した。


「私、たけのこ派なんできのこの山あげます」


「何故きのこの山!?矛盾じゃないですか!?」


「きのこ派ですがたけのこ派から貰うきのこの山はいりません」


「貰えよ!きのこの山好きなんだろ!?」


こんなくだらないきのこたけのこ戦争には巻き込まれたくない。


(そうだ...!)


「これ!お礼の絵です!」


スケッチブックから紙をちぎり、

書いた絵を渡した。


「わー、すごい絵」


棒読みで言いながらキュルルから貰った紙を引き破ってしまいました。


「てめぇ何してんだよ!!クソガモが!!

鴨南蛮にすっぞ!!」


「まあまあ、キュルルちゃん落ち着いて」


「お金払えないんですね?

なら...ここがあなた達の人生の終点ですね。天国まで私がご案内」


「わかった!クレジットカード使えますか?後、領収書ください。宛名はたつきでお願いします」


「支払うんかい!!

つか前監督に請求すんなっ!!」


「しょうがない...、いいでしょう。

今日は20万円にしときます。

えーと、宛名は木村隆一でしたっけ?」


「“今日は”って何ですか!!通常価格いくらだよ!!てか監督をネタに使うな!!

ヘイト釣って楽しいんか!!!」


「宛名はミライでいいです」


「宛名で遊ばないでください!!」


「今度からは勿体ぶらずに現金で払ってくださいね?全く...」


カルガモは少し不服な様子だった。


「キュルルちゃん...、世の中お金なんだよ」


「そんな絶望感で満ち溢れた顔で言わないでくださいよっ!!!!てか、金で解決したのあなたじゃないですか!!」


「あっ、そうだ。

お2人に言いそびれた事がありました。

赤ちゃんの食べ物で一番いいのは...

“ここ”ですよ」


「えっ...」


「あー、なんか聞いた事あります」


「出し方教えましょうか?

今なら特別セール15万円で...」


「結構です!行きましょうかばんさん。

こんなぼったくりフレンズのカモにされるのは不愉快でたまりませんよ!」


「えっと、分割払いってのは出来ますか」


「購入するなあああああっ!!!」


2人の珍道中はまだ序盤である。

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