-80度 勇者のスエオ4

「この俺の力を見せてやろう!

 スク水のじゃロリ白髪猫耳しっぽ神からもらったの力を!!!」


 属性てんこ盛りで渋滞しそうな、とても神とは思えないような存在から力をもらったらしい。

 勇者(笑)は持っていた剣を天にかざすと、その剣が炎に包まれて天高く伸びてゆく。


「……それ振り下ろしたら町ごと斬れるんじゃねえべか?」


 もう振り下ろしたら町ごと斬れるくらいの長さに。

 スエオが突っ込むが、はた迷惑な勇者(笑)は気づいていないようだ。

 さらに炎の剣を伸ばし続ける勇者(笑)に、呆れた顔でプロウレムは手を伸ばす。


「世界を食らうって設定の私が言うのもなんだけどさ、被害とか考えて行動出来ないわけ?

 コラテラルダメージとか言うレベルじゃないんだけど。」


 相変わらずメタネタとか世界観の違う発言が多い。

 しかしそんな事を気にしないプロウレムは勇者(笑)の剣に手を伸ばすと、その炎を吸収しだした。


「な!なんだとっ!?

 こ、この俺の神からもらった能力が吸収されるだなんてっ!」


 そもそもなぜ世界を食らう混沌が炎を扱うのか、今更になって意味不明な気がしてきた作者は後に引けないっ!


「大丈夫かルビカンテっ!

 相性が悪いなら俺が相手をしてやるぜっ!」


 っ!っ!っ!っ!っ!

 勇者(笑)Bが現れた。暑苦しい展開である。

 ちなみに勇者(笑)Aはルビカンテという名前の用だ。


「なんか増えたべ。」

「なんか増えたね。」


 完全に他人事で見ているスエオとオトワール。

 見た目はそっくりで、やはり高そうな装備。

 こいつも勇者(笑)である事は間違いないようだ。


「こいつは炎使いのようだなっ!俺が相手をするぜっ!

 そっちの豚野郎は任せたっ!」


 スエオは豚野郎と呼ばれた事に気分を悪くしつつも、勇者(笑)Bの鎧の色が青い事にピンと来た。

 勇者(笑)Bはルビカンテと場所を変わると、剣を抜いて天にかざす。

 剣は氷をまとって上に伸び……無かった。

 単純にプロウレムが伸びるそばから溶かしているだけである。


「くっ!カルカブリーナの氷でも溶かされるのかっ!

 それなら召喚した術者から先に倒せばいいっ!」


 今度は手ごろな大きさに炎をまとった剣を振りかぶるルビカンテ。

 しかしその剣はスエオに届く事はなく、握った手ごと氷柱の中に埋まっていた。


「暴れたら危ないべ。

 町の人たちにも迷惑がかかるからやめるだよ。」


「豚のくせにまともな事を言うなあああああああああああっ!」


 もはやスエオに人権は無いようである。

 ……そう言えば豚だった。


「いや、だからさ、何度も、何度も、スエオは、悪い奴じゃ、無いって、言ってんだろ!」


 氷柱に手を拘束されて動けないルビカンテに何度もローキックをかますオトワール。

 話を聞いてくれなかったのが相当頭にきているようである。


「お前ら二人でもダメなのかっ!

 ここでこのリビコッコ様が力を貸すぜっ!」


 突如現れた今度は緑っぽい勇者(笑)。

 順番から勇者(笑)Cなのだが、先に自ら名乗る事でC扱いを避けているようである。


「もう増えんなああああああああああああ!」


 オトワールの叫びと共に放たれたハイキックが、ルビカンテの背中にヒット。

 少し気持ちよさそうな顔なのは気のせいであって欲しい。

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