第152話

「あんなに混雑しているなか長居しちゃったけど、よかったのかな」

「ケイ君気づいてないのね。あ、ひょっとして真由美ちゃんも気づいてないのかな」

神崎さんの言葉にオレも真由美も頭の上にクエスチョンマークが飛び交う感じだ。

「あはは、本当に気づいてないのね。あのお客さん達はほとんどケイ君と真由美ちゃんを見に来てたのよ」

「は。オレ達。オレ達を見て楽しいのか」

神崎さんがクスクスと笑いながら

「ケイ君も真由美ちゃんも凄く人気があるって自覚無いの」

「まあ多少は」

「そんな人気者が二人そろってゆっくりしてたら、わかるでしょ」

「まあ、とりあえず迷惑じゃなかったのなら良いか」

「それでさ、次は何を見る」

ウキウキと聞いてくる神崎さんにデート中なんだけどとも言いにくく真由美と顔を見合わせて、ちょっと溜息ひとつ。どうしようかなと考えているところに幸枝が来た。

「やっほ。見にまわらないんですか」

「あ、さっちゃん。もうクラスの方はいいの」

「はい、今日のシフトは終わりました。それでどうしようかなって思っていたところに、あなたたちを見かけたんですよ。見たところ二人きりってわけでもないようですし、よかったら雄二君も呼んで一緒に回りませんか」

 結局そこからは雄二を含め5人で回り、オレが射的代わりのダーツで1等を取り損なってガックリしたり、キックターゲットで神崎さんがボールでなく飛ばした靴でターゲットを開けたり、お好み焼きに焼きそばにたこ焼きにとえらい勢いで食い倒すメンバーに神崎さんが目を回したりと楽しく回った。

「明日は、ケイ君と真由美ちゃんはステージですね」

「おう、普通に楽しみだよ。陸上部のあれはあれで吹っ切るしかないけどさ」

「そうね、KKシーズンの先輩たちと一緒にステージなんて、今からワクワクするわね」

その言葉に神崎さんが反応した

「え、ケイ君KKシーズンと一緒に何かするの」

「おう、KKシーズンの演目のうちオレと真由美がボーカルで1曲やることになってる。それが明日の10時予定だったか。陸上部の音楽カフェは2日目にホール係で2時間ほど、3日目の午後1時からステージだったかな」



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短いですが、どうにも筆が進まないので一旦ここで更新させて頂きます。

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