第146話
あけましておめでとうございます。更新がおくれてもうしわけありません。
今年も『タイトル未定』を宜しくお願い致します。
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「話には聞いていましたけど。ねぇ葉子」
「ええ、本当に県上位の実力者だったんですね」
そういうふたりに
「全国区のふたりに言われても……」
「ケイ君にそう言われてもねぇ」
そんな話をしているところに
「あー、いたぁ。やっと見つけた。八重樫こっちにいたよ」
その声を聞いた途端に顔を歪める真由美と苦笑する雄二。そしてオレは頭を抱える事になるわけで。まぁ県大会ならいるよなぁ。
「よう、御苗、八重樫。久し振りだな」
「もう久美って呼んでって言ってるのに。ケーちゃんって恥ずかしがりやなんだから」
「たく、相変らずだな。八重樫、御苗の手綱をちゃんと握っておいてくれよ」
「あはは、無理。久美は伊藤の事になると手に負えない。知ってるだろ」
「森川兄妹も久し振り~」
「ども」
「ふん。八重樫君お久しぶりです」
あいかわらずの雄二と、御苗に対する敵対心を隠さない真由美にオレも苦笑するしかない。そんなところに幸枝が聞いてくる。
「あのケイ君。そちらは?」
「こいつらは御苗久美と八重樫蓮。それぞれ男女100mの県中学記録保持者。ついでに言えば県の強化選手、てか次期オリンピック強化選手に選ばれたんだっけか。中学2年の県大会で知り合ってね」
「それ以来ケイに付きまとってるストーカーよ」
真由美が辛辣。微妙に御苗との間に割り込むようにして左腕に抱きついてきた。
「相変らず御苗には辛辣だね森川ちゃん」
八重樫が呆れながら
「そっちは人数が増えてるね。紹介してもらえるかな」
「京先輩は知ってるよな。こっちがマネージャーの加藤幸枝。クラスメイトの神崎佑香。で、菅原レイさんと芳川葉子さん。ふたりは華桜女子大の2年生。夏合宿で同宿だった縁で知り合った友達。二人は空手の全国レベルの実力者だからな変なちょっかい出すと怪我するぞ」
「こんにちわ、ケイ君の愛人の加藤幸枝です……いたっ。もうケイ君ちょっとした願望じゃないの」
そこに御苗が
「え、そこでなんで愛人?彼女じゃなくて」
「あたしがケイと付き合っているからよ」
真由美のドヤ顔の主張に
「いつの間にそんなことに……」
落ち込む御苗に八重樫は黙って優しく頭を撫でていた。そういえばこいつらも幼馴染だったな。
「で、結局おまえら3人は高国に行っちゃったんだな。高校では一緒にやりたかったんだけどな」
八重樫のつまらなそうな声に
「おまえら二人みたいな陸上ガチ勢と一緒にすんな」
「お前らなら十分可能性あると思ったんだけどな。それに高国行ってもきっちりここまでの結果出してるんだから、それなりの事はやってるんだろ」
「それなりって、まぁ普通に。なあ」
見回しつつ答えると、何故か顔を背ける親友&彼女&愛人(自称)&先輩
「ぶほぉ、おま、仲間にそっぽ向かれるとか。どんな練習してんのさ」
「どんなって。普通に走って、ウェイトトレとかストレッチとか」
「こらこらこら、ケイ君、それ端折りすぎだから……」
横から幸枝が口を挟んできた。
「でも、やってるのはそんなもんだし」
そこからはオレがどれだけオーバーワークでどうにかしたいという幸枝の訴えを叫ばれた。それに対して八重樫のひとこと
「とりあえず伊藤が滅茶苦茶してることと、加藤さんの伊藤ラブはわかった」
「あ~、まあ幸枝からの好意と世話になってるのは否定できないかなあ」
「え、そこで名前呼び。知り合って3年ずっとラブなあたしは未だに御苗ってしか呼んでもらえないのに。なんでなんで」
「それは私からケイ君への愛の深さですね。ケイ君愛してます、私も彼女にしてください」
もうチョップする気にもならず
「こんなタイミングでナチュラルに告るな。そして返事は”ごめんなさい”だ」
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