第129話
軽音部の練習に参加した後なので雄二は先に帰っており、3人での帰り道
「で、結局真由美ちゃんの料理の味見も出来ずケイ君の料理は3人のお腹の中だったんですね」
幸枝が溜息をつく
「まぁ状況的にしかたないかなってね」
頬を指でかきながら苦笑すると。
「まったく二人してお人よしなんですから」
クスクスと笑い小さな包みをオレと真由美に渡してきた。
「これは?」
「おふたりの料理の代わりにはなりませんけど、うちのクラスの調理実習はお菓子作りでしたので、おすそ分けです」
「わぁ、さっちゃんのお菓子」
無邪気に喜ぶ真由美を横に
「いいのか、幸枝の料理は普通に美味しいから、すげぇ嬉しいんだけど」
「ふふ、ケイ君の料理にはまだまだ敵わないかもしれませんけど、これでも日々努力してるので好きな人に味を見て欲しいってのもあるんですよ」
ちょっと頬を染めながら言う幸枝は中々に可愛らしい乙女で
「幸枝って、最初会った頃とイメージ変わったよな」
「え、そうですか。自分ではあまり変わったつもりないですけど」
「どう言ったらいいのかな。なんというか柔らかくなったって言えばいいのかな」
「柔らかくですか」
「そうそう、最初の頃はさ、ケイが好きなのは分かってたけど、なんというか怖い感じがあったのよね、さっちゃんって」
「え、私怖かったですか」
「そうだね、実は大分引いてた。けどさ、最近の幸枝ってオレに対する好意はむしろ大きくなってる気がするけど、なんていうか優しいっていうか可愛らしいっていうかね」
「そうそう、一言で言ったら乙女な感じになってきてるのよ」
真由美も幸枝が変わってきてるのを感じているって言っていたなと思いながら幸枝ににっこりと笑いかけ
「だからかな、一緒に居てちょっと癒される感じがあるんだよね」
「うわ、今日はケイ君と真由美ちゃん一緒にデレた。これは真由美ちゃん公認のお付き合いよね。今日からいいかしら」
「勘違いスンナ。それとこれとは別だっての」
軽くチョップでとめる。
「うぅ、今日のは3人で一緒に幸せになろうねって流れだと思ったのにぃ」
「一緒に幸せにってのは別に良いけど付き合うのとは別だからな」
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ちょっと幸枝の出番が少ないなって思ったので短いですが書いてみました。
やっぱり幸枝いいわぁ。安定のポンコツ感とケイ君ラブが書いてても最高に楽しい。
幼馴染3人組とクラスが違うので学校で絡ませにくいのが難点ですが。これは要改善かな。ふふふ
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