第124話

「という訳で、1走私、2走真由美ちゃん、3走雄二君、アンカーケイ君ね」

「「「「「異議なーし」」」」」

「「「何が『という訳』ですか京先輩。部活に来たらイキナリで訳分りませんよ。しかも他の人たちも『異議なし』とか。いつの間に何の談合したんですか」」」

ちょっと気まずい空気になったところで

「いえね、体育祭に部対抗リレーというのがあるの」

「はい、それは知ってます」

「スウェーデンリレー形式で当然陸上部も参加するのね」

「まぁそれはそうでしょうね」

「で、陸上部って言ってしまえば、体育祭の競技の専門の部活でしょ」

「それはまぁそうですね」

「なので毎年体育祭実行委員が指定するハンデが課せられるの」

あ、なんとなく察したけどマジですか

「今年のハンデは『参加選手は4名中3名まで1年生、内1名は女子であること。加えて残りの1名は女子であること』ということなの」

「はぁ、それなんてイジメですか?」

「そうよね。普通なら考えられないハンデでしょ」

「学年やら性別やら指定ってのが。まぁ現役選手以外を入れろとかの指定じゃない分マシっちゃマシかもですけど。でもだからってなんでオレ達が指名されるんですか」

「昨日短距離のタイムトライアルやったでしょ。あのタイムを参考に選んだらそうなっただけで、それ以外の特別な意図はないわよ」

「いきなり長距離メンバーにまで短距離タイムトライアルやらせたのはこれが目的だったんですか」

そこまで話が進んだところで雄二がちょっと疑問を挟んだ

「でも、その割に僕達だけ知らなかった感じなのは何故です?」

あ、みんな目をそらした。つまりはそういうことなんだろう。別に走ること自体が嫌なわけじゃないので

「雄二、まぁ察しようか。別に走るのが嫌ってわけじゃないだろおまえも。な、真由美も部対抗リレーの選手として走る事自体がいやなわけじゃないよな」

「そうね、あたしも、突然だったし一方的だったからちょっとって思っただけで走るのが嫌なわけじゃないわよ」

部対抗リレーの選手を受け入れ、打ち合わせと称して4人で集まっている。

「京先輩。どうせ中学時代みたいに一緒にやりたいってことでしょ」

あ、京先輩が赤くなった。珍しいもの見たな。

「実行委員からハンデの申し入れがあったのは本当よ」

「まぁさすがにそこまでは疑ってませんけどね」

そこに雄二も

「ま、そんなことだろうとは思いましたけどね。久し振りの京先輩ですよね」

「やっぱりそうなんだ」

真由美も乗っかり。京先輩はいっぱいいっぱいのようで

「もう、言わないでよ」

中学時代を思いだし4人の笑い声が重なった。

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