第118話
軽音部の練習も終わり下校中に
「ベースも結構楽しいですね」
「いきなり結構弾いてたよね。さっちゃんも結構多芸だよね」
「小さい頃にバイオリンを少し習っていたので弦を押える感覚が少しあったからですかね。神無月先輩にも弦の押え方が良いから上達早そうって言ってもらえたんですよ」
「弦の押え方か。あれ?ひょっとして幸枝って弦を押えて指が痛くなってない?」
「え。特に痛くないですよ」
「えぇそうなの。あたしなんか2週間くらいは痛くて1日30分くらいしか練習できなかったのに」
驚く真由美に
「痛みは感じないですね。バイオリンで弦を押えるのに慣れてるからだと思います。あ、あとベースの弦って微妙に柔らかいかな」
でも今はやってないんじゃなかったかと思い
「でもバイオリンを習っていたのは小学生の頃って言ってなかった?」
「正式に習っていたのは小5くらいまでですけど、そのあとも趣味のレベルでチョコチョコ弾いてるので指先はちゃんと丈夫です」
「はぁなるほど、維持してきたんだ。じゃぁ練習量を最初から確保できるし弦の押え方もきちんとしてるってことだから上達も早そうだね。ってひょっとしてオレ達ギターのレベルはあっという間に追い越される?」
「あはは、そんなことないでしょ。ケイ君も真由美ちゃんも春から始めたとは思えないくらいに上手じゃないですか」
「う~ん、自分でも一人で練習しているときは結構うまくなったと思うんだけどさ、先輩のを聞いちゃうとねぇ……」
「ふふ、分かっているとは思いますけど彼らは特別ですからね」
「分かってはいるけどね、練習も凄いし」
「でも自覚あるかどうかわかりませんけど陸上でのケイ君達はあちら側ですよ」
きょとんと見返すと
「やっぱり自覚無いんですね。ケイ君には京先輩を通して話いってますよね」
「ああ、あのオーバーワークの件?」
「本当は真由美ちゃんの練習もイエローゾーンですけどね。おふたりとも主力選手なんですから怪我には気をつけてくださいよ。あ、ケイ君は怪我したら私が付きっ切りで介護してあげます」
むふっと笑う幸枝に軽くチョップしながら
「縁起でもない。怪我なんかしてる暇は……」
おっと余計な一言が入りそうだった。
「そういえばいつの間にか帰りは3人だな。雄二はさっさと帰っちゃうし」
「最初の頃は真由美ちゃん怖かったですよ」
「だってケイのこと狙ってるっていう人と一緒になんて……あれ?さっちゃん今でもケイのこと狙ってるよね」
「はい、ケイ君のこと大好きですよ。彼女にして欲しいと思ってます」
「あれ???いつの間にケイを狙ってるさっちゃんが一緒にいるのが当たり前に」
「ふふふ、でも今では真由美ちゃんと一緒にいるケイ君が好きみたいです。変ですよね」
「あたしはあたしで、そんなさっちゃんがいつも一緒にいるのが嬉しいのよね。さっちゃんが変なら、あたしも変だよね」
「それが今のオレ達の関係ってことでいいんじゃないか」
「じゃぁケイ君、私を彼女にしてくれるよね」
「なんでそこに飛ぶ。ダメだってのに」
「だっていつも一緒ならいいじゃないですか」
「おっと今日は食い下がるな。一緒にいるのと彼女なのは違うだろ」
「そこは、あそうか、それもそうだなってオーケーするとこですよぉ」
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今回ちょっとショックなことがあり更新遅れのうえ超短いです。
少し気分転換して次回頑張ります
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