第117話
「今日は軽音部寄っていくか」
真由美に声をかけると
「うん、学期初めだし、さっきの京先輩の話じゃないけど軽音部こそ、そろそろ文化祭に向けて何かするんじゃない?」
「あぁありそうだな。表立って参加するかどうかは別にして手伝いくらいはしないとかもだ」
そんな話をしていると、幸枝がよってきた
「なに、今日は軽音部も行くの?」
「ああ、そのつもりだよ」
「私も一緒に行ってみたいのだけど……」
「大丈夫だと思うよ。心配なら部長に確認取るけど」
「一応念のためお願い」
スマホのトークアプリを立ち上げる
kei:神無月先輩います?
1分ほどで既読がつき返事がきた
みほちゅん:ほい。ケイ君用事かな
kei:友人が一緒に来たいって言ってるんですけど、見学ってことで連れて行っていいですかね
みほちゅん:OK、OK歓迎しますよ。よほど根をつめてるときじゃなければ、いつでも見学OKだからね。
kei:ありがとうございます。連れて行きますね。1年女子1人です
みほちゅん:あいあい
「大丈夫だってさ」
「それじゃお邪魔しますね」
3人揃って軽音部の部室へ移動しながら雑談を
「それにしても急にどうしたんだ」
「京キャプテンが部員にも楽器を扱える人が結構いるって言ってましたよね」
「そういえば、そんなことも言ってたね」
「えと、その私も何か楽器弾けるようになれば真由美ちゃんと同じようにケイ君と一緒に弾けて楽しめるかなって」
幸枝が耳まで真っ赤だ。
「おぉいいな。一緒に音楽も楽しめるようになろうぜ」
「さっちゃん、あたしもさっちゃんと一緒に楽しみたいって思ってたの。一緒に上手になって一緒にケイとセッションしよう」
「それでやってみたい楽器とかあるのか」
「それなんですよね。ギターだとおふたりとかぶってしまいますし、ドラムスは体力面や機材的にさすがに、なので第一候補がベースで次点でキーボードってとこですかね。他に変化球でサックスってのもかっこいいし、こないだ動画見てたらバイオリンでロックやっててかっこよかったしって迷いまくりなんです」
「あはは、まぁそういうことなら神無月先輩に相談すれば色々アドバイスしてくれるんじゃないかな」
そんな話をしていると軽音部の部室に到着。
「「「こんにちわぁ」」」
「こんにちわ。そちらが先に連絡のあった見学の女の子かな」
「はい、友人の加藤幸枝です」
「加藤幸枝1年E組です。今は陸上部のマネージャーをしていますが、ケイ君と真由美ちゃんに刺激されて、何か楽器をやってみたいなって思ってきました」
「いいねいいね。この二人に刺激されてってのが特にいいね。じゃぁ希望する楽器何かな?」
「えと、それが漠然としていて。何か弾いてみたいって感じで。」
「で、何かって言ってもそれなりに希望はあるよね。どんな希望かな」
「希望、ですか」
「そう、希望。どんな楽器を弾いてみたいとか、どんな曲をとか。なんでも良いの。そういったやってみたいこと」
で、幸枝はさっきオレ達に言ったような事を話し
「う~ん、ケイ君と真由美ちゃんに刺激を受けて出来れば一緒にやりたい。けど楽器とか何を選んだらいいか分からない。こんな感じ?」
「そうですね、私自身は小学生の頃にピアノとバイオリンを少し齧ったくらいなので楽器はどれを選んでも初心者だと思いますし」
「そうね、ふたりと一緒にやりたいのを前提なら、加藤さんの経験を考えれば、ベースが第一候補、キーボードあたりが第二候補かしら。あとはいっそバイオリンを持ち込むのもありだけど、これだとどうしてもメロディー偏重になりそうね」
「ベース、ですか?」
「そ、ギターの1つだけど言ってみればリズムを作るギターね。古いので良ければあるわよ。触ってみる?」
「いいんですか、お願いします」
「じゃぁ幸枝、オレ達はあっちで練習してるから。神無月先輩、幸枝のことお願いしますね」
「さっちゃん、またあとでねぇ」
言い置いて定位置に移動し、練習を始める。あれ?神無月先輩がそのまま幸枝の面倒みてるな。ふーん、なんとなく察して、でも何も言う事は無いのでそのまま練習を続けた。
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