第100話

水曜日

「ケイおっはよぉ」

寝ているオレの横にポスンと飛び込んでくる真由美。真由美だとは分かるけれど、眠気であまり理性が働かない。なんとなく抱き締めてスリスリ。

「おわぁよぉ。まだねむ」

「もう、あいかわらずのお寝坊さんなんだから。少しだけよ」

真由美はそう言いながら抱き締め返してきた。

しばらく真由美を抱き枕にしていると少しずつ意識が覚醒してくる。目の前に可愛い顔があったので少し見惚れる。睫毛ながいな。綺麗な目。普段意識しないけど肌もすべすべニキビもないよなこいつ。

「どうしたの、あたしに見惚れた?」

「うん、可愛いなって」

ボッっと音がしそうな勢いで真由美が真っ赤になった。ほんとうにこいつ防御力低いよな。『チュッ』キスを落としてギュっと抱き締める

「な、ななな。なにするの」

照れてる照れてる

「おはようのキスとおはようのハグ」

「もう、大好き」

ぎゅっと抱き締め返してキスされた。

「さ、起きようか」

ベッドから降りて着替え……

「オレ今から着替えるんだけど」

「うん、そうね」

「部屋の外に出て欲しいんだけど」

「うん、嫌」

「なんで」

「見たいから」

「オレは見られるのは不本意なんだけど」

「あきらめて」

「簡単に言うなよ」

「なら一緒に着替える?」

なにやらバッグを掲げて見せる

「な?」

「今日は遊園地だから朝ご飯食べたら着替えるつもりだったけど、今一緒に着替えてもいいよ」

「わ、わかった、そこにいて良いから」

「分かれば良いのよ。別に最近の幼馴染のはやりでケイのパンツクンカクンカするわけじゃないんだから」

死んで良いでしょうか。

「あれは全部洗濯済みだからな、どれも使用済みをクンカクンカしてないからな」

ハッとした真由美がにやぁっと笑い

「さっさと着替えて」

あきらめてパパッとパジャマを脱ぐ。着替えを手に取ろうとすると

「はいこれ」

手渡されたのはパンツ

「いや、今パンツは着替えないから」

ジッと見て来る。

「着替えないよ」

あ、ちょっと涙目で見て来る

「それは反則」

涙目で目を合わせてくる

「わかった」

がっくり項垂れパンツ交換を承諾した

「せめてパンツ着替えるときは向こう向いててくれ」

「まだぁ」

「もう良いぞ」

キョロキョロと何かを探す真由美

「何を探してる」

「お宝を」

頭にチョップ。

「は、あたしは何してた」

正気に戻ったので

「何故か闇堕ちしてたぞ」

とりあえず着替え終わったので

「下で朝飯食おうぜ」


そのごパンツが何故か1枚行方不明になる事件が伊藤家で発生した。




祝100話

長い様で短い様で、やっぱり長い99話でした。30話以前でエタりかけたのが主原因ですが。今は毎日楽しくお話を書けています。まだまだ彼らの楽しい生活は続きます

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る