第24話

「はっきり言ってくれてありがとう。でも、私はあきらめないから。きっと伊藤君を振り向かせて見せる」

涙をこらえるようにして加藤さんはそう言った。その言葉を背にしてオレは扉をくぐり屋上から校舎に入る。その階段入り口にいたのは

「お疲れ様。ちゃんとお断りできたね」

「真由美。見てたのか」

「真剣な好意にお断りってのはきついよね」

そう言うと、オレをそっと抱きしめてきた。それはいつもの愛情表現のハグでなく、いたわるような優しいものだった。

「ありがとう。もう大丈夫」

少しの間真由美の優しさに甘えたあと、そっとはなれた。

「うん、じゃぁ部活行こう」




翌日

「新しいマネージャーが入ってくれたので紹介するよ」

京先輩が声を掛けた

「1年生の加藤さんよ。みんな仲良くしてあげてね」

「1年E組の加藤幸枝です。未経験ですが、がんばりますのでよろしくお願いします」



まさか、こういう……

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