第14話
「真由美、そろそろコール」
「あ、もうこんな時間。コールいってきまーす」
「ひとりで行けるか?」
「きっとあたしの大好きな彼が一緒に行ってくれるから大丈夫」
にこにこと言い切る真由美に
「はいはい、お供させていただきますよ。お姫様」
と手を出すと。
「えへへ……」
にへらっと笑って手をつないでくる、かと思ったら思いっきり抱き付いてきたぁ
「お、おい真由美」
「いいでしょ、これでも高校初のレースで緊張してるんだから」
「あれ?ふたりでどこ行くの?」
「あ、神崎さん。真由美がコールの時間なんでちょっと行ってくるね」
「コール?」
「まぁ、本当にレースにでますよぉって最終登録みたいなの」
「ふーん、ついて行っていい?」
「良いけど、別に面白い事ないよ」
コールの場所についたが、何か視線が多い。まぁ競技場で抱きつかれた状態じゃ目立つからねぇ
「ほら、そこだから、行って来い」
「あーい」
「森川真由美です」
「はい、Okです」
「んじゃ真由美は、そろそろアップして準備しとけよ」
「え?これだけ?」
「だから面白い事無いよっていったでしょ。ゼッケン確認するだけなんだから」
「じゃぁあたしはアップいくねぇ」
「おぅ、スタートの横のベンチそばにいるよ」
真由美は、機嫌よくアップのために競技場外周に走って行った。
「女子200m予選集合してください」
係員の声が聞こえた
「じゃぁ荷物お願いね」
「Ok.頑張って来い」
真由美の表情が今までの甘えた可愛らしいものから引き締まったアスリートのものに変わった。ここからは応援する以外には何もできない。
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