第13話
「正直な話、よく覚えてないんですよ」
「なにそれ、ここまで来て逃げるの?」
「いえ、その。真由美が真っ赤になって一生懸命好きだって言ってくれるの見て気付いたら抱きしめてたんですけどね」
「そ、そこであたしに持ってくるとか無いでしょぉ」
いきなり真由美が真っ赤になってもだえていた。
「あえて言うなら。ひたすら可愛いなぁ可愛いなぁって……」
あぁ顔が熱い。逃げたい……
「で、公衆の面前で熱烈に抱きしめあっちゃうふたりなんですよねぇ」
「神崎さん、なんで……」
「いやだなぁ、応援に来るっていったじゃん。みんなもいるよぉ」
「うわぁ……」
真由美が胸に突進して来た
「おい、そこでなぜ燃料を追加に来る」
「は、恥ずかしい。顔見せられない」
どうやら顔を隠すために抱き付いてきてしまったようだ。
「そう言いながら、しっかり抱き寄せてるケイ君もねぇ……」
しまった、ほとんど条件反射で抱き寄せてしまった。よし開き直ろう
「いいだろぉ、うらやましいだろぉ。俺の彼女はかわいいだろぉ。付き合えばこんなことも出来るんだよ」
もっとぎゅぅっと抱きしめてスリスリしてみる
「く、この独り身にはクリティカルな反撃を……」
そこで神崎さんは、何かに気づいたようで
「ケイ君。君の反撃が真由美ちゃんにもクリティカルヒットしてるみたいよ」
見ると真由美は耳まで真っ赤になってプルプルと震えて固まってしまっていた。
「真由美。可愛い」
つい耳元で囁いてあたまを優しく撫でる。気づいたら周りが静かになっていて。
「「「「このバカップルがぁぁ」」」
言われて真由美から離れようとしたら、
「やめちゃイヤ」
真由美に可愛くおねだりされてしまい、そのまま撫でつづけていたら
「くぅ、からかうはずが、これじゃぁ……」
みんな目をそらしていて。
「????。みんなどうしたの?」
「さすがね伊藤君。あたしたちの負けよ」
と神崎さんが離れていった。
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