元アイドルの彼女と取り替えのない俺

@haruto12

第1話ハプニングと真実

「皆ありがとう。ここで重大発があります。私玲加は、ここでアイドルを辞めす」

彼女がステージで放った言葉は、世間を変えて行った。

自殺して行く人達や学校や会社を辞めていく人達が増えて行った。

ファンの人達やドルオタで、彼女も好きだが違うアイドルも好きという人達さえ変えてしまった彼女のステージは、消えた。

そんな世間に全く興味なかった俺だがまさかあんな展開になると思っていなかった。




土曜日の昼間は、人通りも多く外に出ることは、基本したくないのだが今日は、たまたま外に出る用事が出来てしまい仕方なく外に出た。


外に出ると太陽が眩しく頭がくらくらする。

それにやけに暑い。

今日は、6月のよく晴れた日だ。

10分程度歩くとコンビニがあるのだが暑さのせいかいつも通る道でも遠く感じてしまいやけに足が重く感じてしまう。

俺がよく行く道成りで、坂があるのだが何やらいつもの坂とは、少し違う。

いつもならおばちゃんやおじいちゃんがよく散歩かランニングするこの心臓破りと言われる道にまさかナンパをする男3人がいた。

どこの時代の奴らだよ。

全く昼間からやるね君たちも。


奥にいるナンパされている人を見ると帽子を深く被っており顔がはっきりと見えないが髪が腰まで長くすらっとした手にすらっとした足まさに完璧だ。

「いいじゃん俺達結構面白いところ知ってるんだよ」

だからどこの時代のナンパの仕方だよ全く。

ついツッコミをしてまうほどの時代を感じる。

だがどんなに困っていようと俺には、全く関係ないし助けてヤローなんて思いもしない。

でもそう思った刹那だった身体が自然に動き彼女の手を引っ張り男3人から引き離すとそのまま逃げた。

男達も何が起きたのかよく分かっていなかったのか思考が5秒程停止しており逃げ出してから5秒後に俺が彼女と逃げるのに気づきすぐさま追いかけてきた。

だからいつの時代の話だよ。




いつもは、この先を曲がるといつもの公園があるのだがそこに行くとあいつらを振り払うことが出来ないため少しかかる信号をあえて使い青信号が赤信号に変わる直前ぐらいを狙い振り払うことが出来た。

そのまま真っ直ぐに距離を離すために走った。

面倒だが角を曲がりぐるっと1周するとまたさっきの信号がある男達ももう居ない。

信号を渡りいつもの公園に向かう。



公園に着くと彼女の手を離した。

「あ、え、そ、そのごめんけどこ、こ、ここに来たけど大丈夫ですか?」

そう言いながら彼女を見ると息を切らし顔を真っ赤にしながら深呼吸をして俺を見つめた。

ニヤッと頬を釣りあげながらなれない苦笑いを浮かべ目線を合わせず彼女に問いかけた。

「全然大丈夫です。私もこちらに用がありましたので。えっと、それよりこの度は、本当に感謝しております。そ、そのお名前を聞いてもよろしいでしょうか?」

彼女は、ぐっとスカートをぐっと握り何故か一向に目線を合わせようとしない。

別に気にしないよ。うん。だって俺も目線合わせきらないし何より人をじろじろ見るの得意じゃないもん。いや、別にあれだよ相手が女子だからじゃないからね勘違いしないでよね。


「いいけど高広烏って言います。変わった名前ってよく言われるけどあんまり気にないでね」

「いえ、変わってる名前だなんて思いません。それにいい名前だと思いますよ。私の名前は、柊こよみって言います。今日は、本当にありがとうございました」

一礼をする彼女。

目線は、合わせないニヤリと頬を釣りあげながら慣れない笑顔を作りなんかキョロキョロしている俺なんかにちゃんと一礼をするその姿勢がいい人だと表している。

俺だったら一礼をしてからさっさと逃げるよ。だってこんな人俺なら嫌だもん。

こんな人にすら一礼をし話を聞く。彼女は、きっと優しいんだろう。

「では、またどこかでありがとうございました」

彼女は、そう言いながら俺に背を向け公園から出ていった。その背中が消えるまで公園から立ち去ることすらしなかった俺だが背中が見えなくなった途端どっと今まで我慢していた疲れがやってきた。

暑さと走ったことから今日は、運がよかったのか悪かったかもうどうでもいいと感じる。

近くにあるベンチでひと休憩をしてから帰ることにした。


普通ならあんなすらっとした体型の顔こそはっきりと見えなかったが多分あそこまで綺麗な身体付きなら顔をもきっと可愛いのだろう。

普通の男ならあんな彼女ほっとくことが出来ないだろうが俺にそんな勇気は、全くない。

青春なんてそんなものである。

だって学校では、話し掛けると誰?転校生?なんて言われるし隣の席のやつにすら声を掛けて貰ったことがない。


ラブコメなんてくだらない。

ラブコメも青春もハーレムも何も俺は信じない。

今から楽しみにしている学生諸君らは、あまり期待しない方がいい。期待した分絶望も大きいからだ。


やけに燃える太陽に日から隠れるように陰にあるベンチに座ったがそれでも外は、暑い。

「さっさと家に帰って寝るか」

俺は、ベンチから身体を起こしそのまま家に帰った。



まぁ何が言いたいかというと青春なんて俺は絶対信じない。

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