[短編(オリ)]人を嗜む

 ふわりと照りつける光に意識が浮上する。停止していた機能へ、次々に灯る稼働中、のランプ。まだ温まってはいないが、エンジンはじきに、軋みもなくいつものように動くことだろう。

 朝起きたらすること。まずは時間の確認だ。

 地面の方向を向く三本の針を、数字に変換。予定の時刻までには余裕があるらしい。

 朝食がなければ、空腹を覚え、邪魔になるらしい。だから適当なものを口にすることにしている。

 指定された服がないため、用意しておいた着回す服の、今日の分を身につける。

 数字がある並びになったら、出かける。

 起きたときよりも眩しい景色。目的地は駅から歩いて数分だが。やろうと思えば数秒で向かえる。だがそうはしない。

 人間を嗜んでみよう。そう、思ったからだ。


◆◆◆◆


 擬態、というか変化して生活に溶け込むのってエピソード作れますよね。これをどう表現するのが適切かなー、と思いましたが、嗜む、ではないでしょうか。

 彼らにとってそれは必要のないこと。しかしちょっとした興味から溶け込んでみている。嗜む、ではないでしょうか? 嗜んでると思います。


 さて、前述の内容から、どんな人物だと想像したでしょうか? 具体的な種族とかそんなものは決めていませんが、人間を嗜んでることだけは確かです。

 でろでろの異形なのか、それともいかつい魔物とかなのか、悪魔なのか天使なのか。

 想像にお任せしますが、主人公は何だ、というような感想をもらうような企画って需要ありますかねぇ。

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