[短編(市場)]酔いつぶれる者たち

 ある飲食店に集う竜の四人は、てかてかと鱗を輝かせていた。

 赤い竜は、半目で、出されている料理を爪で摘まんでは、もう片手にある飲み物を少しだけ煽る。

 青いのは、酒を隣に、すでに潰れている。その酒や料理が店員の手によって下げられようとも、グゥグゥと繰り返すだけで、起きる様子はない。

 土色は、ひたすらに煽っていた。料理なんて知ったことかと、繰り返し、空になったグラスを満たしては、空にしている。

 最後の緑は、並ぶ三人の後ろで出される料理をひたすらに食べていた。だがそれも数十分、お腹一杯だと出された酒を、水だと間違えて一口。それだけで丸くなって眠ってしまっている。

 ここは貸しきりの一室なので、ここに訪れる者は、店員しかいないものの、ガヤガヤという音が、遠くから何度も聞こえている。


◆◆◆◆


 前もふれましたが、お酒は飲めません。よくある貸しきりの居酒屋とかってこんな感じなイメージしかないのですが、どうなのてしょう?

 定額飲み放題を選択して、酔いつぶれるまで飲食を繰り返すイメージ。飲み会も、この体質上合わせてもらう側ですから、遭遇したことがないわけです。


 こう、戦いに赴く人が鼓舞のために飲みあかす、なんていうのはよくありますが、酒がまわって敗戦、なんていうこともあったらしいですし、やはり酒とはよくわからんです。

 たまたま発酵してできたものを飲んだらうまくてハイテンションになれたってだけなのに、よくもまぁ、発明しましたよねぇ。

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