[短編(市場)]魔法剣士

 天空、はるかに高い場所。びゅうびゅうと風の吹きすさぶ中、激しく行われた試合は、ひとつの決着を迎えて幕を閉じた。

 その参加者はすぅと落下して、地面に着地する。数分ぶりの地面からの反発に、何度か踏みしめた二人のうち、片方が話しかけた。

「あんた、魔法使えたっけ?」

 誰もが、それが誰かであることを知っている。なぜならばこの市場には、紅竜というのは一人しかいないからだ。

「いいや。俺にはそんな素養はない」

 もう一方は知らぬ者も多いだろう。土竜と呼ばれる者たちは、適度に市場を出入りしているのだから。だかここに定住している者は、彼一人だ。

「じゃあ、どうやって?」

 青年は着ていた鎧を外して、近くにいた人に預けた。

「魔結晶は、ものによっては所持者が魔法を扱えるようになるらしい。原理はさっぱりだが」

 敗退のインナーに空気を送り込みつつ、二人は歩き出して、群衆から離れる。

「ふーん。そのわりには、使いこなしているようには、見えたけど」

 偶然だろう、とすれ違う青年と狐の立脚類を目で追いながら、ポツリと一言。

「負けちまったか」

 さも残念そうな彼は正面に向き直り、次の出番を待った。


◆◆◆◆


 以上、「世界樹の宴」より。

 魔法剣士ってなんかかっこいいですよね。だって魔法というふしぎぱわーに満ちたワードに剣士(つよそう)がつくんですから、中二心がくすぐられます。


 しかし強いんですかねぇ、マジックナイト。

 魔法の概念によっても違ってきますが、一般的に必要とされる準備を、剣でいなしている最中に、おいそれと消費できないじゃないですか。陣を描いたり、魔力をどうこうしたり。

 呪文である場合は、そのトリガは言霊なので大した影響はないと思いますが、そのときに必要なものがしっかりと扱えるのかどうか、状況判断能力も必要になりますし。


 それならどちらか一方のスタンスをとり続ける方がいいような……? どうなんでしょうかねぇ。

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