[短編(市場)]辛味を求めて
ギルがふらふらと歩いている。とはいっても目的地もなく、うろうろとしているだけだ。
出店を物色するわけでもなく、迷わず道を選んでいるわけでもない。ただ、思うがままに進んでいる、というだけだ。
今日は、彼女はいない。というのも、トレムと共に遊びにいく、とどこかへと行ってしまったのだ。それが今朝のことで、明日に帰ってくるはずである。
そのため、彼女にかまう時間がなくなった彼は、仕事もほどほどにでかけたのてある。普段から遅くまで仕事ばかりをしているので寝ていてもよかったのだが、妙に冴えてしまったのと、食事をしていないことに気づいたのだった。
だが食べたい、と思うものはない。人通りの多い場所で、立ち止まることはできない。故にこれを食べようかと吟味することもできない。流れに従っていれば、やがて人通りの少ない路地に。
「そうか、こういうところにも……」
店はなくはない。穴場というやつだ。
ほどなくして、飲食店らしい看板を見つける。
ノックしてみれば、辛いもの専門だけどいい、と問われ、それでもいい、とギルは足を踏み入れた。注文したから料理が運ばれてくると、彼はじっと目を細めた。
「一人でよかったな。まぁ、あいつはここまで入ってこないか。」
ぐらぐらと煮える赤いスープに浸る、丸めた具材を匙ですくい、口にする。一度だけむせると、黙々と食事をするのだった。
◆◆◆◆
酸辣湯のインスタント麺を食べました。うーん、しんどい。いや、食べたくなった、というよりかは、味覚への変化球がほしくてですね。
底に貯まっていた粉が固まってしまい。最後の方がすっぱすぎました。なんで溶けてないんですかこれ!
で、Mは辛いものが好き、とかいいますよね。戦士とかもそういうのを好んだとか。
そうなると、市場ではギルとかになりますよね。ほてっているのに、ふぅ、と息をついているのも様になります。
さ、来週のイベントの調整とかしなければ。どうぞごゆるりと。
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