[日記]陽気を浴びて、本を読む

 めくる。めくる。

 痛んでしまっている一枚に指を添えて、ぐっと力を込めて、横にずらす。すると不思議なことに、指に吸い付くようにしてシーンを移すことができる。

 そこに立ち並ぶ景色を傍観しながら、震える準備は万端だと、読み進める。

 そういえば、これはまだ一巻。今の時間に読み終えてしまいそうだが、続きは、生憎手元にない。急いでいるわけではないが、折角読もうとのっていた気分が沈んでしまうことは事実だ。

 だとしても、時間と気分は逃げても本は逃げない。そうだという心持ちになってから、再び携帯している本を開けばよい。

 ともすれば、あとがきが。先生ではなく、本屋大賞に携わった人の記述だ。ちょっと残念に思えたが、これは文庫本の一巻。原作では上下巻になっていて、そのうちの4分の1なのだから、ここにあるはずがないのは道理か。

 と言っているうちに、最後の一行までたどり着いてしまう。道半ばのゴールに本をしまい、ゆらりと身体を後方に倒してみると、じわりと半身が熱くなる。

 何事か、と目を見張ることはない。冬が終わり、桜が薄紅色で大地を彩った後、あおあおと茂り始めているからだ。じりじりと眩しいくらいの快晴が、まだまだ夏は遠いぞ、と嘲笑っているよう。

 心地いい、は心地いい。だが少しばかりそのままでいると、じわりと汗が吹き出して、べたべたとして不快感が顔を出す。

 仕方ない、と日陰に移動してぼんやりと。

 あっという間に、また夏が来てしまうのだろうな、と思うと、作業により打ち込むべし、と誰かが耳元で囁いてくるのだった。


◆◆◆


 九時から一時間程度は気持ちいいのですが、後半くらいから「暑い」に変わってきますよね。こう、ゆるーく、ゆるーく、座ったまま回ってくれる椅子はないでしょうか。日差しが集中して当たりすぎないように、ちょうどいい位置に当ててくれるような。

 知恵の無駄遣いですね。しかし人間というのは怠惰を糧に知恵をつけるもの。何かの応用ができれば、それはそれは知恵の躍進です。


 さて、GWが終わりまして、また土日。みなさまの体調はいかがでしょうか?

 たった二日間、連休明け特有の疲れを癒そうとしておられるのでしょうか? はたまた、これがGW最後だのスパートをかけているのでしょうか?

 あるいは、休みなんてない、という方も。

 いずれにせよ、今日という、一日という毎日を、生きているうちはやり過ごさねばならないのです。のんびりといきましょう。

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