[日記]旅窓覗きて景色を眺める(博多)

 特に意味もなく、カチ、カチと放浪していると、懐かしい地名を目にする。特にその投稿者のファンだとか、そういうものはないが、タイトルにあった単語に惹かれて、カチリ。

 映し出される電車内、駅舎。懐かしい。旅行動画だ。よくある、食い倒れとか、観光とか。もちろん私が行ったことのない景色もある。こんな場所あったんだ、と思いながら作業を続ける。

 このご時世にそんなことをしていてどうなのだ、と問われればソロで楽しんでいる分には、別に構わないのではないかと私は答えたい。

 大量の、廃棄された土産物が出るくらいなら、一つでも消費されればいい。生活というのは、自分だけにあるものではないのだ。

 話を戻そう。どうしてこれを再生しようかと思ったのかといえば、たったの半年間だが、その近辺に住んでいたからだ。

 毎日仕事で通っている場所へ、ほぼ毎週末、電車に乗ること三十分程度、そこ、博多駅に行ってお昼をいただく。

 私が好んでいたのは、駅の地下の飲み街でいただくローストビーフ丼だった。一食千円と少しくらいだったろう。もちろん、酒は飲めないので食事に全振りだ。

 他にも色々な飲食店はあったが、博多駅で、仕事を除いて一番通ったのはあそこだ。是非とももう一度頂きたいものだが、そんなタイミングは来るのか……いや、計画を立てろよと。

 他によく行っていたのは、ひらお、という天婦羅屋だ。店舗数が少ないながらも、八百くらいで満足に食べられる場所だったろう。

 さすがに旅行動画内でこちらに立ち寄るようなものを見かけたことはないが、旅行で行きたいな。あそこの工事は終わったのだろうか。

 あと土産物に困らないのは一つのメリットだろうか。駅舎内に多くの店があり、好きなのはめんべいだ。あと、明太子ソースとかもあったろうか。懐かしい。


 おお、そんなことを考えていれば、もうお昼ではないか。

 今日は全国的に雨。それは予見していたことだから、いそいそと冷蔵庫を開き、今の食卓を楽しむ。

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