[創作論]対立項

 ああ言えばこう言う。こう言えばああ言う。

 それは一見すると、どちらも一理あると思える。傍観者としては、どちらがどんな折り合いをつけるのか、ほくそえんで見てみたいものである。


 さて、対立項というのは、どんな物語にも少なからず出てくるものだろう。主人公に対して、事件やら黒幕やら、ライバルやら。

 これを決めるとき、どうすれば読者を引き込めるだろうか。

 多分、基本的には彼らはこういう思想のもとあれしてこれして、というものを書いているうちに、読者がついてきてくれるものなのだと思う。下手に大喜利を図って目立つ矛盾を産むよりも、順当で王道なものをを魅力たっぷりに仕立て上げる方がいいのだろう。


 さて、ではこの対立することで厚みを出すならば、それなりに根回しが必要になるかなぁ、と考えた。

 その思想を得るにはその土台がいるし、その対立を由とするならするなりに言動を一致させる必要がある。単純明快なら特に問題はないのだが……分かりやすい例は捕食者と被食者か。腹が減るから食べる。死にたくないから逃げる抵抗する、と。

 ここに感情が絡むと、一気に考える必要のあるアイテムが増えるのだ。しかも当事者たちだけではなく、その回りの取り巻きにも言い分があって、どちらかに味方している。

 さぁ、どう収拾をつけたものか。一人ずつにスポットライトを当てるのは、悪くはないがかなり難しい。ストーリーの進行が遅くなってもいけないし、読者を飽きさせてもいけないからだ。


 対立項を置くのは簡単だが、奥の味まで用意するとなると、どうしたものだろうか。そんなことを考えながら、昼寝をしたい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る