[短編(市場)]ふと見るそこにあるもの
ある日、ダンジョン洞の店主の生活スペースには、常連一名と、珍客一名がいた。紫の衣をはおる立脚類の紅竜と、帽子をかぶる四脚類の青竜だ。
座り込む紅は軽く首を傾けて、その後ろには青がおり、じっとその後頭部付近をじぃと見つめている。
「耳の穴くらいしか、ないねぇ」
そう口にするのは青の方。
「あんたと、やっぱおんなじか」
答えるのは赤で、彼女は洞窟の奥へと尋ねる。
「テレア? いまいい?」
待ってましたといわんばかりに、ゴリゴリと岩を削る音を響かせつつ、腹這いに現れるのは、岩山のような体に、これまた岩でできた翼と長い首を持つ者が姿を現す。この暗闇の管理者だ。
「私が知る限りでは、テレアが一番長生きだと思うんだけど……」
そうやな、と応じるのは岩の口。
「なんでこんなのがあるんだと思う?」
目を模した岩が、破片を落としながら蠢いた。見いる先は、赤の示す指先、首と頭の境目、顎のラインの先に伸びる、尖った部分二本。
いわばトゲ。刺さるほどではない鋭さをもったトゲ。側頭部から後頭部に向けてはえるそれは、仰向けに眠るのにも邪魔であり、それを持つものは座りながら眠るのが主流である。
そこには特に、これといったものはない。整形で取り外す、なんてことも事例としてはなくはない、と同じものを持つ青が横槍を入れる。
「さてなぁ。あたしもなくはないけど、どっちかと言えば、首の延長戦みたいなもんやしなぁ」
変幻自在のその体躯が、今ある山を形作るとき、常にその首にはトゲがある。それは頭頂部付近にまで及んでおり、急所を守るために機能しているのだと言えるだろう。
「なんなのかしらね、これ。竜の中にはないやつもいるし、かといって獣にも似たようながあるといえばあるし」
該当箇所にのみ風になびくような長さの体毛を持つ者もいる。
結局この暇潰しの会談に結論が現れることはなく、お開きになるのだった。
◆◆◆◆
だってかわいいんだもの。あった方が竜っぽいし? 扱いは耳みたいなものですな。
我が家のドラゴンsって、大体似たデザインしてるんですよね。角の有無とかトゲの数とか、体格とかで判断している感じです。特殊能力とかつけない人なので……。
例えば、インスデイルの世界観にはリオという元人間がいたのですが、この子とラクリさん、そっくりなんですよね。色と服の設定以外、そっくりです。
リエードのそっくりさんはいないです。そもそも昔は海霧とかの東洋竜系がマイブームだったので。
我が家のそっくりさんなんて集めてみても面白そうですが、大体設定絵なんてないんだよなぁ。見比べられないんだよなぁ。
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