[創作論]レア度100!!

 アイテムが落ちた。

 魔物を倒したら、その身体が黒くなって、ぶわぁと霧散した。すると、コツ、と軽い音を立ててアイテムが落ちている。

 石器時代なら刃物に使えそうな、薄く透明な石。ガラスか何かと間違えた時もあったが、これはどれだけの需要があるのだろうか。

 この世界に転移して、あっちで言うならはや数ヶ月くらい。ハンターになって、魔物と動物の判断がぼんやりとできるようになってきた。

 先程のようにかききえるのが魔物、死体が残るのが動物。どうやら身体の構築してるものが違うらしい。

 後者は血抜きをして捌けば食料になるし、余ったものは売れる。この世界に動物しかいないというなら、人類の半分は狩人をしていることだろう。

 ところが魔物はうまみがないどころか、むしろ逆。この石ころに値段がつくのだ。しかもどんな魔物を倒しても落とす石ころ、ものによっては数日分の食費が浮くというとんでもない代物だ。もちろん、安いものだと一食の半分にも満たないのだが。

 ならば狩人の方が自身の食料も手に入って堅実に生活ができる。だからこそハンターは一攫千金を狙う貧乏人の職業だとも呼ばれている。

 さて、価値の分からない石を眺めてから荷物に詰める。問題はこの石の価値がすぐに分からないことだ。どうやら分かる人には分かるもの、らしい。足元見られていなければいいのだが。

 あと十くらい狩れれば、賃貸料払えるかなぁ。次の更新分も、集めれれば楽なのになぁ。


◆◆◆◆


 レアドロップってありますよね。あくまでそれは確率のお話で、物語に登場すると陳腐な印象を受けてしまいます。


 加えて、希少品が都合よくぼんぼん手に入る展開もお、おう感。その正体は、価値を決めてる人の手が存在しないのに価値が分かっているという矛盾があるからかなぁ、と思いました。

 そこに万能なシステムという存在がメズラシイモノダヨと独占を促し、主人公が都合良く富を手にいれる……うーん、やっぱ「その世界に現れたノイズ」感が否めない。

 なかなか手に入らないものだからこそ高価なものだし、役には立たないけど嗜好品として好まれているから高価になる。そうして価値をつけたから指標として値段というものがつけられた。

 また、レアものは役に立つというのもありがちですよね。嗜好品って正直、最低限、生きるのには要らないものじゃないですか。なんでも武器に加工したら強くなるし、アクセサリにすればとんでも魔力が得られたりとか。

 これもまた、一種のご都合主義に近い何かを感じますね。ゲームだったら強くなるためのステップとして踏めばいいだろう、と思いますが、物語にこれはいるのかなぁ。

 単純に珍しいという株上げ装置を使わない上げ方を考えてみないとなぁ。

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