[日記]ちょっと冷たい日に

 今日の朝食。食パン二枚にバター、ハチミツ、お菓子を挟んで焼いた、サンドである。あるときはサラダチキンとか豆苗とかを挟んでみたりするが、今日はこれだ。

 では、コーヒーも淹れたし、いただこう。

 すぐに到達するチョコレートの甘味。追いかけるように香るバター、それらを追い越すのは蜜特有の濃い甘さ。

 手にしていた食事を一度皿に戻して、ふと愛用のカップを見る。いつもとなにかが違う。作り方はいつもと同じはずだが。

 手を伸ばし触れてみる。あぁ、なるほど。熱が伝わるわけではなく、奪われた。

 振り返ればケトルがある。毎朝、水をいれてカチッとスイッチを入れるのだが、ここ最近は接触の悪いところがあるのか、沸かせないときがある。少し回してランプがつくことを確認すればいいのだが、そういえばしていなかった。

 捨てるのももったいないので、インスタントの証である欠片がなくなるまでぐるぐるとかき混ぜて、一口。

 冷たい苦味と酸味の流体。いや、むしろちょうどいいかもしれない。朝でも強い日差しに照らされて暑いと考えると、ぬるすぎず、ちょうどいい。

 新たな発見にカップを置いて、朝食を平らげる。そしてコーヒーも飲み干す。

 さて、今日は何をするんだったか。食器を洗い、水筒を用意して、いつもと同じように、鞄を持って出掛けることにする。

 暑くならないといいなぁ。

 そんな願望は、太陽も雲も知らん顔である。

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