[創作論]一人より二人、二人より一人

声をかける。

すると返事がある。

その返事をして。

答えがある。

また声をかければ

回答がある。


後ろ向く君の肩をつかむ。

すると君はふりむく。

思わず浮かんだ笑みを返して。

君もまた笑みを浮かべる。

一言かければ

応えてくれる。


◆◆◆◆


以前から異種族コンビが頻出するくらい好きだ、と申し上げていますが、よく採用する理由についてお話ししましょう。

その二人の価値観の違いや、お互いを求めること以外に、会話ができる、という点が上げられると思います。


もちろん、会話なら三人四人でも可能です。二人より三人、四人などと言いますが、物語を書くうえで、三人以上って、難しいんです。

こんな体験ありませんか。三人のうち、一人が会話に入れていない、というシチュエーション。

基本的に「」で会話が続いていく中で、割り込みが入るのは簡単に想像できますが、三人が代わる代わるコミュニケーションをとるって、難しいでしょう。

指揮官一人に対し、複数の臣下とあれやこれやと指示を出す。三人以上に見えて、これは常に一対一のやりとりであり、簡単に書けることでしょう。


それを考えると、四人パーティを同時に操る技能は素晴らしいなぁ、と思うこの頃です。

また、関係性が一対一なので、地の文で誰に焦点を当てるのかも簡単なんですよね。彼、彼女といった表記も、誰を指すのかすぐに分かるのですから。


そして、極めつけは、一人の時に描けるその思い。独りだからこそ相方に見せない一面を見せられるのも、好きなところですね。

ミステリーだと、複数人の中で、誰が誰にどう思っているのか、表裏の意見を使わせるなど、重要スキルな気がしますね。


はぁ、魔王では、言葉が通じないコンビが出てくる予定ですが、どうなっていくのか、今からわくわくです。

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