[創作論]魔力999
その魔法は、太陽を思わせた。
月とは対照的に、熱を大地にもたらし、目覚めをもたらす偉大なる、神。
その真下にいる賢者は涼しい顔で右手を掲げ、太陽を持ち上げている。
我らをごうごうと焼き、建物を飲み込ませ、災厄をもたらすつもりなのか。
どうすれば最悪の事態は避けられる?
あらゆる手段が脳裏を駆け巡るものの、そこにノイズとして、市民の顔が思い浮かぶ。今はそれどころではない。何をすればいい。なにを。
そう考えていると、太陽は消えた。賢者は両腕をローブに隠し、コツコツと歩いてくる。
「これで、不審者でないと証明できたかな? じゃ、門番、頑張ってくださいね」
脇を笑顔で通り抜ける彼は、魔法力が999と噂されている者だったが、事実だったのか。
◆◆◆◆
魔力999(マジックパワーカンスト)の賢者は、町中で太陽を作ったようです。死ぬぞ?
さて、魔法と魔力。この2つを以下のように定義します。
魔法→魔力を使用した現象のこと
魔力→魔法に用いられる力、および生命力
ゲーム的に例えるなら、魔法はファイアーボールからエクスプロードなどがあり、魔力はMPや魔攻です。
で、魔法は魔力に応じて威力が上がる、という設定はよくあることだと思います。先述の賢者もファイアーボールのつもりでしたし。
しかし思ったのですが、魔力に比例して魔法の威力が上がるのならば、魔法の中の抽象的区別ってできないのでは?
例えば、火炎魔法と水魔法、これは現象が異なるので区別できますが、ファイアーボールとエクスプロード、区別できますか?(どんなエフェクトが出るのかは知らない)
このチート賢者がファイアーボールって言いながらエクスプロードの爆発出してるわけですよ。変なお話ですよね? 一般人からしたら、どちらも危険な火炎魔法程度しか認識できないのでは?
研究が盛んな世界ならば「厳密には異なる現象が発生している」とかで分類をしてくれていそうですが、そこまで作り込むことなんて、基本的にないことでしょう。
そう考えると、不思議パワーの関係性と命名を作り込むという作業も、世界の技術や捉え方を描写できる貴重な素材やもしれませんね。
市場でのチート魔法使いはグレイズさまです。
こういう世界観で魔法を叫ぶとかは恥ずかしいのでやっていません。ラクリさんレベルの魔法が普通レベルですしね。
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