[創作論]その肉体はどこからくるの?
騎士の詰め所近くの、厳密には竜の王の管理下にあるそこそこ広い空き地で、今日も鍛練にいそしむ騎士がいる。
模擬戦や走り込みなどは、広い空間が必要であるため荒れ地やダンジョン洞で行われるが、日々の鍛練は時間別にこの空間が使われている。
その日、たまたま兄弟は一緒になった。20程度の騎士の中から先に来ていた弟を見つけた兄は、近づいて声をかける。
「今日はどんくらいやるよ? 俺は素振りを中心にやりたいな」
ぼろの鎧を身につける彼の手には、訓練用のなまくら。
「素振りなら、王とかがいるときにやるのが効率がいいと思うんですけど」
対する弟は四肢に縛り付ける用の重りを担いで空いている空間を探している。
「素振りで仮想の相手を両断するって想像するの、楽しいぜ? インスもやろうぜ」
ちょうど一人分の空間を見つけて歩きだす弟についていく兄は、わざとらしく体を大袈裟に動かしている。
「それこそ、模擬戦でいいじゃないですか。想像通りに武器が当たると考えてしまう方が、問題では」
重りを地面に落として、四肢に装着し始めるインスに、わーったよ、と少し離れて素振りを始める。
しばらくして、彼らに与えられた時間が終わってしまった。訓練用の小道具を倉庫に返したあと、兄弟は詰め所で隣り合わせに座っていた。
兄は湯気たつどろりとしたもの、弟は氷の入った水の入ったカップを片手にくつろいでいた。
半分くらいまで減ったそれを眺めつつ、そういや、と兄。
「ギルって、鍛練してんのかな」
どうでしょう、と弟が反応する。椅子に備え付けの机にカップを置く。
「けどあの体だと、普段からしてそうですよね。傭兵時代の日課を続けてるとか」
だよなぁ。
「今度の休みに、見に行ってみるか? あいつが何してたらあんなになるのか気になるし」
しかし、首を横に振る弟はカップをあおり、立ち上がった。
「好きにしてください。僕は巡回がありますので」
残された兄はけたけたと笑いながら、つまんねーの、とその背中に送った。
◆◆◆◆
筋骨隆々マンはどうやって維持してるんでしょう?
大量生産大量消費もできるわけではないてすし、それぞれの生業が生活に直結しているため、体を鍛えるのにはかなり難しい気が…
でもぎるさんはひかくてきせんとうみんぞくです。
正直、ファンタジーの傭兵には魔法というステキ設定があるため、筋肉は必須なものではありませんが、魔法しか使えない傭兵ばかりいても…守る前衛もいないとね。
あ、でも体力はいかなるときも必要ですね。魔法使いも前衛で戦う必要はないですが!
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