這いよる寒さに渇き覚え
[創作論]並列の進行は停止フラグ
穴ぼこだらけの大地に、二人がいる。
一人は細い体を偽るかのように厚手の衣服に身を包み、全身を隠すような外套をまとっている。
一人はのそのそと、外套を追いかけている、鱗におおわれた四足の獣のようなもの。
二人は平地を歩いていて、ときおり獣がぐるぐると喉をならしては、まだ着かないのか、と言葉とも唸り声ともつかない音を発す。
「縄張りには、入ってると思う。ただ、巡回に合わないだけじゃないかな」
面倒なやつらだ、と獣。
ここまで書いて、跳ねる心臓を押さえ込みながら床についた。
ああ、やってしまった。まだ市場も終わっていないのに。市場を完結させ、魔王の話を書きたいのに。それよりも先にこの衝動に抗えない私がいる。
書きたい。
穴ぼこだらけの大地。空には丸い大地が浮かんでいて、世界をある目的のために旅する異種族コンビ。導入も導入だけ書けば気が収まるのではと書いてみたが。
そんなわけがないだろう!!
あぁ、やってしまった。二度とやらないと決めていたのに。あれやこれやと同じ分野のものを並列に進めていたら絶対に頓挫するって分かっているのに。繰り返してしまった。
ああ、資料とか漁る時間も含め、時間と気力があればいいのに。
◆◆◆◆
多分こうなる。未来予測である。
妖魔を書いた前後、未完のまま頓挫したものが色々とあります。いずれも並列に進めていたということや、展開が思い付かないということで、まさしくエターナった、というやつですな!
妖魔を書き終えてから二年くらい経って、ふと文芸部に出した彼菜と万芽のお話を目にして、ちゃんとしたものを書きたくなった結果が七日です。
また、七日と並列して書こうとしていたものが、市場の次に書きたいと口にしているものです。見事に頓挫していますが、書きたいシチュエーションに溢れているため、次のものに据えています。
あとお菓子の魔女の話も並列していた記憶もありますね。そっちもやっぱり止まってます。
つまり、同じ分野のものは、完結するまではひとつに絞って進めるべしということです。身をもって知っています。
おれもこれもとしていると時間が足りない。しかしやりたい。悲しい定めですね。
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